工房しろくま


小型電動飛行機の部屋


ユニオンモデル P−51スーパームスタング

ユニオンの電動飛行機は、270ミリ4セルで飛ぶセスナから非常に好印象でした。セスナで散々遊んだ頃、マブチのRC280を使う450ミリ4セルのムスタングが発売になり、早速購入したところ、この機体には大変苦労していましたが、後に5セルのダゴレッドが発売され、この機体での改良点が数年後再びこういう形でよみがえりました。
ユニオンの電動機は非常に好印象で、ほとんど飛ばしました。エルロン仕様のシタブリアをラダー可動に変更し、6セルのスーパーデカスロンと同じ仕様で飛ばしていたものは、当時のエアーサプライのペラですばらしいスケールアクロを楽しめた機体でした。

スーパームスタング (この機体は近年再販されたものではなく、京都のエンジンプラザユニさんに残っていた機体です)
モーター:ユニオンモデル製 リノ ニューF1ゴールド (マブチのRK370PB?です)(純正から変更)
アンプ:双葉MCR−4A
バッテリー:500又は600mah6セル 7.2v
サーボ:ユニオン製9gサーボ(ラダー・エレベーター)双葉FP-S143(エルロン)


製作ポイント
 エルロン周辺の図

ユニオンの機体(というより富士技研の機体)のモナカ構造の翼では、上下の合わせ面がそのまま動翼のヒンジとなります。京商のT−33もそうですが、説明書通りに揉んで馴染ませるという方法では渋さの問題がなかなか解決しません。
一度切り離してしまい、薄手のヒンジをエポキシで使用するという方法もありますが、私は2,3センチ間隔で表皮を切り、ヒンジ部?のみ残すようにしています。切れ目の両側を予め0.5−1ミリのドリルで開けておき、薄刃のカッターで切り抜き、耐水ペーパーで成型するという方法が良いかと思います。
この機体でも大きなステッカーを貼りますが、動翼まわりは表から溝へ回り込む位置でカットしてしまい、入り組んだ所は水性塗料で筆塗りしてやる方が後々ステッカーの浮き上がりが無く体裁が良く仕上がります。胴体後部のロッドの出口も穴の周辺を切り取ってしまい、上から塗ってしまいましょう。ポリカーボネードのボディの塗装に使う水性塗料が便利です。
(はみ出た塗料は水性ですからステッカーや表皮部のは後でこそげ落とせば良いでしょう)
胴体や主翼の筋彫りは鉄筆でなぞっておきました。


 主脚周辺の図

スケール機という立場では邪道ですが、タイヤはIMの35ミリのスポンジタイヤに交換しました。尾輪も純正の台座を利用し1.2ミリ程度のピアノ線でスキッドを作り、2ミリのタッピングビスでエポキシと併用し固定します。
ダゴレッドで始めた方法です。このタイヤで転がれる路面なら滑走離陸できます。
主脚は少し前に出るように調整しておきます。飛行場所が草地の場合は、ランディングでひっかかるだけですから外して飛ばしましょう。
主翼の前縁は上下成形の時の合わせ目のバリがでています。これをペーパーで丹念に除去し(多少合わせ目のスチロールが出てもかまいません)前縁部に幅10ミリのカッティングシート(自動車などのライン入れ用で薄手のものが入手できます。無ければレーザープリンター用の裏面糊付きフィルムでも良いでしょう)を貼って前縁部の成形をします。
大事な所です。スーパームスタングの場合は主翼が白ですから、簡単です。


 胴体裏面の図

主翼前後のプラ製胴枠は、初期のP−51の名残でグレーですが、目障りですので前縁の処理で使った白のラインテープを貼ってごまかします。(塗装してもいいです)胴体後部下面の合わせ目もテープで覆ってしまいます。上面はステッカーで覆われる所なので、丁寧に段差取りをしておきます。
エルロンのトルクロッドの溝は最初から白いテープで覆われていますが、厚手なのでラインテープで貼り直します。エルロン部のテープは、ステッカーで覆われる箇所なのではがしておいても良いでしょう。
主翼の固定は純正ではタッピングビスですが、3*0.5のタップを切って6角ビスで固定できるようにしました。カウリングの固定の2ミリのビスの所も同様にしておきます。(気は心・・)(ネジが効かなくなったら裏からナットをエポキシで埋め込みましょう)
プラパーツとスチロール部の接着は5分間エポキシを使いましたが、主翼下面のエアインテーク、水平尾翼、キャノピーは市販の発泡スチロール用接着剤を使いました。この方がきれいに仕上がる様です。
主脚の台座はエポキシを点着け程度で大丈夫だと思います。


モーターは、ユニオンから出ているリノニューF−1ゴールドのセットを使いました。リノF−1等の相模製モーターより扱いは楽に思えます。ユニオン製リダクションユニットは軸受けに市販の3*6のフランジ付きベアリングが使えます。作例ではユニオンから出ていた?3ミリのスラストベアリングも併用しました。
プロペラは、ダゴレッドの頃に出たSR−180という幅の狭いペラです。以前エアーサプライなどから出ていた高効率なペラには劣りますが、前縁後縁のバリを成型しておけばそこそこ使えます。スピンナーの芯出しが少し気になります。




フライト・・・

私としては珍しく完成した日にテストに行きました。かなり風は吹いています。10だと少し不安な程度。
5セル時代のムスタングの記憶はあるのですが、6セルでは初めてです。サーボが軽い分やや頭重の重心位置。
正月明けの河川敷は滑走に適した場所は人が多く、上流の誰もいない場所での手投げです。
モーターの回転音は、以前のシタブリアで聞き覚えのある回転なのですが、手投げした機体は、かなりの風にも関わらずあっという間に速度を上げて上っていきました。5セルとは引きが比較になりません。
トリムのずれもほとんどなく、私には少し速いくらいの速度で飛びます。エレベーターはけっこう過敏ですが、エルロンは説明書の指示値ではロールが少し遅いようです。
水平飛行は中速程度、ループの進入で速度を稼いでおく必要もなく、パワフルに飛びます。ロールは舵角のせいかやや回り方が遅い様でした。
パイロンレーサーらしい?急激な旋回で若干巻き込みの気配がありますが、電動オーロラの様に急激な翼端失速もなく、充分リカバリーできます。
機速があるため、着陸も思いの外伸びてくれます。シタブリアの様に簡単には速度が下りません。(下りないというより機体サイズによる目の錯覚もあるのですが)極スローでエンストの心配のない電動機ですから、遠慮なくコントロールできます。

5セル時代とは比較にならない引きでシタブリアなどより風に強い感じです。14グラムのサーボの時代から9グラムや6グラムのサーボ、良いバッテリーに高性能な急速充電器と放電器。同じ機体がここまで飛ぶとは思いませんでした。

私は人形を乗せない主義ですので・・・ 省略しましたが、しっかり塗装して作り込んでやっても良いですね。
スピンナーも青か銀色で塗装すると良いと思います。
私としては3機目のユニオン製ムスタングですが、非常に好印象でした。
この機体の再販に続いて、出るはずだったスーパーデカスロンが立ち消えになっているのが残念です。




動翼の処理をしっかりしてやれば、舵が残るという事も少ないと思います。
パソコンでロゴを処理して透明シートへレーザープリンターなどで打つか、カッティングプロッターを使ってやれば、全体を黄色に塗装し、ロックウェルインターナショナルのロゴで、ボブフーバーのイエロームスタングも可能ですね。

1999/01/11


サワイ フェアリーウイング  Chubby Lady  microBipe






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