点検でDUO南広島へ寄った折、新型ポロの試乗をさせていただきました。
ショールーム内で見ると一回り大きく感じましたが、全長が１０センチ近く延びたのはリヤシートから後ろの荷物室空間の長さを伸ばしたため、それ以外はほとんどかわらないとの事でした。

試乗前の説明で、旧ポロ（初期型・２型）との変更点は、エンジン回転数比例の油圧パワステが他の形式（電動？）に変わった事。アクセルのリンケージがワイヤーではなく、電気式になったとの事。シートは旧ゴルフ並に１サイズ大きくなっているとの事でした。

シートに座り、位置を決めます。背もたれは相変わらずダイヤル式。私は好きです。インパネの雰囲気は２型とあまり変わらないような気はします。インジケーターランプはアウディ並に真っ赤。（ちょっと好みではないです）２型からドアハンドル付近に引っ越したパワーウインドのスイッチは適正な位置に変更され、２型で感じた違和感はありません。
ただ・・　現在の欧州車が価格に関係なくそうであるようにインパネの樹脂の質感は国産車と比較し良いとは間違っても言えません。
妙にデザインに凝るならもうすこしましな表面仕上げにできないのか？と思いますが、これも流行でしょう。
車室空間は、初期ポロよりかなり広くなっている感じがしました。

走り出すと、これがポロ？と思うくらい静粛です。２型から妙にサスアームの保持が甘くなってましたが、がっちりした箱に正確な足が付いているワーゲンは復活したようです。非常に上質です。（ポロクラスでここまで必要かどうかは私は疑問ですが、けっこう良いです）
ハンドル操作は初期ポロと比べかなり軽くなっています。これも日本市場でセカンドカーという立場を考えるとユーザー層を考えた場合良いのでしょう。
ブレーキはタッチは余り良くない感じでしたが、制動力は十分にあります。トヨタレベルのタッチでアシストを付けるとこんな感じでしょう。しかしブレーキのレベルはトヨタの３倍高価な車より上質です。
肝心の電気制御スロットルは、最初妙な感じでした。急激な踏み込みやわずかな踏み込みに対してはスロットルが反応しません。
常にアクセルを踏んだり離したりする癖のあるユーザーが多い国ですので、それの防止には良い事でしょう。
燃費の向上には圧倒的に効果があると思います。
ただ、ドイツ製のコンパクトハッチバックというイメージから受けるレスポンスの良さやトルクの厚さというのは感じられなくなります。
車重も増え１４００ではちょっと機敏に走るというわけにはいかないかもしれません。

初期ポロの良さとは一部真反対な改善？ですが、穏やかに乗るには良いかもしれません。
エアコンの冷却能力は格段に向上しています。

いつのまにかドイツ車にもドリンクホルダーが付くようになりましたが、びっくりするような仕掛けで飛び出てきます。
しかも収納時にはガリガリと音がします。基本性能には関係ありませんが、あまり面白くはなかったです。

電気制御スロットルの耐久性がどの様なものか（競技車両ではありますが）わかりませんが、上質で信頼の置ける車を穏やかに長く乗るなら良い選択になるかもしれません。
価格はあまり変更になっていませんし（そのしわ寄せがあちこちにありますが）同クラスの他メーカーの車と比較しても、箱の頑丈さ、生存性、ブレーキの正確さ、足の追従性はやはり一歩抜け出ていると感じます。なんかみんなベンツのＥクラスの顔・・・