2輪屋しろくま 近場の道中記



1999年8月11日 好天

国道2号線から尾道大橋を経由し瀬戸内しまなみ海道方面 カワサキ KSR2




5月に瀬戸西自動車道(瀬戸大橋 尾道今治ルート 通称しまなみ海道)が開通致しました。その後私事でいろいろな事があり、なかなか出られない状況が続いてい たのですが、ある日4輪(ポロ)でこのルートを走る機会があり、今度は小さい2輪でと計画し、生産終了間近なカワサキKSR2を再び迎え(前にも乗っていまし た)仕事を終えた午後、東へ進路をとりました。

橋は自動車専用道ではなく、途中で止まれるほうが楽しいのでは・・・

午後1時すぎ、自宅から国道2号線まで出来る限り裏道を通り(大型車がこわいので)市内から海田のあたりで2号線に出ます。ミニバイクとはいえそこはカワサキ の80、元気良く走っていきます。
1時間ちょっと間隔の人間の休憩と給水を繰り返し、国道2号線竹原市新庄の交差点から竹原市内に向かいます。ここから海岸線を巡り忠海から大三島へショート カットする予定でしたが、忠海から大三島へ渡るフェリーが橋の開通で減便したようで、船の気配がありません。
近道をあきらめ、干潮の青海苔が日に焼かれる強烈な磯の香りの中、三原から国道2号線に戻ります。
お盆渋滞で車の列は延々と続きますが、そこはミニバイクの事、ととととと前に進むのでございます。

尾道の入り口で尾道バイパスへ入らず、旧国道を走ります。橋の開通で駅前は新しくなりましたが、雰囲気はかわらない尾道の街、祖父の産まれた寺の前を通過し尾 道大橋へと向かいます。

 尾道大橋と新尾道大橋(手前)

2号線のバイパスからしまなみ海道へ進むと自動車専用道となり、手前の新しい方の橋を渡るのですが、今回は原付2種ですので元の尾道大橋を渡ります。(通行料 金 原付10円)
ここから向島に渡ります。交通量も多く、このあたりはまだまだ大きな町です。この島を西側から回ってまいります。

 因島大橋

因島大橋を渡り因島へ入ります。(通行料金 原付50円)
村上水軍の本拠地であった島です。島とはいえ一つの市ですからかなり広い島です。
このあたりまでのコースはしなまみ海道開通以前から通れた場所でして、案内に従って進んで行くと因島水軍城などが見えてまいります。しかし今回は島の道の雰囲 気を楽しみながらひたすら大三島を目指すのでございます。
(芸予諸島とはいえ、昔の安芸の国、備後の国という境は今も車のナンバーの「広島」「福山」でわかれているように、微妙に雰囲気が異なってそれぞれに発見がご ざいます。)

 生口橋 (通行料 原付50円)

生口橋への原付進入路の途中の展望施設、一休みの図。

 生口橋 原付専用道

生口橋からいよいよ瀬戸田町に入ります。しまなみ海道のそれぞれの橋にはこのように原付専用道や歩行者・自転車道が併走しています。
125CC以上の2輪や4輪だと専用道を走り抜けてしまうので、運転している本人はあまり橋の実感がないのです。しかしこの原付道からは眼下に海が飛び込んで まいります。ちょっと止まってみることも(ほんとはいけないんでしょうけど)できます。
徒歩で渡ってみるのもいいかもしれません。人間の建造物もなかなかやるところを感じられます。

この瀬戸田町には平山郁夫美術館やベルカントホール(本格的音楽堂)がございます。ちょっと寄ってみたい気もするのですが、今回はひたすら走り続けるのでござ います。
瀬戸田町(生口島)を反時計方向に回つつやがて多々羅大橋が目に見えてまいります。瀬戸内の夕暮れは西側の海岸がよろしいのでございます。

 多々羅大橋 (通行料 原付100円)

このあたりから夕日とおいかけっこになってまいりました。いよいよ大三島です。尾道から島伝いに西に進んでまいりましたが、次第に島らしい道が増えてまいりま す。大三島に入ったところでここは愛媛県なのでございます。
やはり反時計回りに進み、宮浦港の案内に従って進んでいきますとやがて慣れ親しんだ海が見えてまいります。
この大三島の並びにある大崎上島(広島県豊田郡)は、私の親戚が住む島なのです。

 大山祇神社

宮浦港方面から海岸に進むとやがて大山祇神社が見えてまいります。「日本最古の社といわれている」とツーリングマップルにありますが、私には大三島の神社なの でございます。鳥居の並びに鎮座する狛犬を撮影し、ここでフェリーの時間を確認。
ここまで橋以外の写真がないのですが、実は尻の痛みと格闘していたのでございます。

愛媛の今治港を5時35分に出港したフェリーが来島海峡を抜けて、この大三島の宗方港に6時30分に着きます。
私はこの宗方港に着いたフェリーに乗って大崎上島の木江港へ渡りましたが、時間に余裕があれば、来島海峡大橋を渡り愛媛の今治港からこちらへフェリーで戻って くると、来島海峡の空中回廊のような建造物を真上に見ることができます。
このフェリー、海峡横断で揺れるため、2輪は縄で固定されます。



大崎上島の見える道で小休止の図。



これが瀬戸内海の夕日でございます。湖よりも穏やかな海面が広がってまいります。

 大三島 宗方港手前の岸壁

宗方港へ少し早めに着けたので、近くの農協の自販機の前で休憩。人気のない岸壁まで降りてすこしたそがれるのでございます。

 宗方港そばの倉庫

潮風に打たれた今治自動車教習所の看板が風情でございます。なんとなく蜜柑畑のかおりが漂ってくる、夕暮れの一息つける瞬間。

 宗方港桟橋からフェリーの到着を待つの図

最近はフェリーも前後が同じ形(車が前進のまま進入出来るタイプ)が増えてまいりましたが、来島海峡を越えるには従来の上陸用舟艇風のフェリーが元気に右へ左 へ進んでまいります。海峡の潮流もですが、大阪下関間の船の交通の要所を横切って走っていきます。
切符売り場の窓口で受付のおばあさんに「ごめんください」と思わず言ってしまった、そんな港。
大三島と大崎上島、真向かいですが、海峡は県境。ここは愛媛県。

ここから大崎上島は目の前です。10分程度で大崎上島木江港桟橋に上陸。親戚の家(寺でございます)で顔を洗って一休み。
その後はいつものコースで大崎上島垂水港から竹原行きフェリーに乗り、竹原から国道2号線を通ってひたすら家を目指すのでございます。
そろそろシートの痛さにねを上げそうなのですが、KSRは何事もなかったかのように元気に進んでいくのでございます。

9時半頃に帰着。尾てい骨のまわりが真っ赤でございました。
またいこーねとKSRがエンジンを止めて笑っておりました。



全走行距離:約250Km (8/11)    燃費:不明 行きの竹原と帰りの国道2号線志和で給油



瀬戸内しまなみ海道の橋について

今回は原付(125CC以下)で走ったので原付専用道が利用できました。
しまなみ海道の自動車専用道は利用できませんが、芸予諸島の雰囲気を味わうには、沿岸部の周回路をたどるのも面白いと思います。
島の中は本来そんなに交通量の多い場所ではなく、比較的交通量の多い向島、因島、生口島はそうでもないのですが、軽トラックや歩行者の飛び出しには注意された ほうが良いと思います。離合の難しい場所もいくつかあります。離合できる場所があれば、先に自分が待避する事を心がけたいものです。
せっかくの島ですからのんびり走りましょう。

それぞれの橋の原付自転車の専用進入路はかなり狭い道です。橋のたもとから折り返しながら昇っていく道ですので、対向車に注意しながらゆっくり走る方が安全と 思います。
道に無数のスリップ跡がありましたし、転倒跡もたくさんございました。一部は原付と自転車が共用している道もあります。自転車の制動力も考慮して、余裕をもっ て走る方が良いと思います。

自動車に自転車を載せて、その車をベースにして自転車で巡るというのも面白いと思います。

今回は、大三島を到達目標にしたのですが、今治まで渡り、今治港からフェリーで来島海峡大橋を下から望むのも見応えがございます。
但し、今治港から大三島・大崎上島方面へのフェリーは橋の開通によって通勤通学時間帯以外の便が大幅に減りました。
あらかじめフェリーの時間は確認された方が良いと思います。

今治まで渡られた場合、竹原以西の広島山口方面へ帰られる場合は、愛媛の波方港(来島海峡大橋のSA側のインターを降りてすぐ)から、中四国フェリーにて広島 の竹原港へ渡られるのも便利かと思います。
航行時間約90分。約1時間おきにフェリーはございます。
しまなみ海道の自動車専用道を利用し、尾道から回るより、フェリー運賃、時間、ともにこのルートの方が有利です。


1999/08/20



この文章を書いたのは、もう15年以上前になります。現在はこのしまなみ海道は自転車やミニバイクで大変人気のあるコースですが、島と島をつなぐフェリーは 原油高騰などで大幅に減便され、目の前の島なのに渡ろうと思うと船は一日に数便しかなかったり、不便になりました。

宗方港の倉庫も今はありません。

広島からなら、大崎下島から橋で愛媛県の島(大下島)に渡り、そこから関前フェリーで今治に渡るルートもあります。

橋からの眺めは絶景ですので、おすすめコースです。

島内は安全運転厳守でお願い致します。

2016/01/05