スズキ カプチーノ (EA11)


仕様はこんなんですが、もう15年近く手元にあります。

自分の体にタイヤが付いているような感覚。国産車最短クラスのホイルベース。軽トラックに迫る最小回転半径。
市街地でリッター12キロ以上をキープ。もしかしてこれは一つの2座席コミューター。
実は・・・ 仕事で普通車が入れないところ行くときに使ってます。
乗ると全然狭く感じないのですが、人が乗っているのを見ると、「小さい」と思います。



平成15年の暮れに何回目?の車検が来ます。端的に言えば「スズキの軽」なのですが、さすがにバブルの真っ最中、日本の自動車メーカーがベテランと機械化のバランスが最も取れ、まだ夢のある車を生み出せた時代の産物です。

この車を売ってもスズキの利潤はほとんど無かったと言われています。後継車と思われる物がモーターショーの度に発表されていますが、もう二度とこんなジャンルの車が世に出ることはないでしょう。

恐ろしく高価な輸入車でも信じられないくらいの省略化(合理化)が進み、そこまで簡単に作らなくてもと思う車しかなかなか出会わない時代です。
確かに一発ものでそのまま消えていった車も多いのですが、現代のように皆同じ様な味わいもへったくれもないデザインで、間抜けなエンジンで、誰でも中途半端に走らせられる車しか無い、おかしな時代から思えば良い時代でした。

今の軽自動車は規格が大きくなりすぎ、軽自動車のメリットを放棄したような感じがします。
私も町中の仕事で軽自動車は手放せなかったのですが、今の大きくなった軽では、実際ポロとそんなに変わらず「小さな車が欲しい」場合に合わなくなっています。

でも・・ ダイハツ コペンの様に、何かやってくれる元気は日本のメーカーにもありますね。
まだまだ捨てた物でもないのかな・・と思います。



買ったときに7年は乗ろうと思っていたのですが、とっくに過ぎました。
確かにこのサイズですから、極端な車体剛性があるわけでもありません。(初期のロードスターよりちょっとまし程度)でもこれだけ年数経ってもいわゆる「へたり」はほとんど感じられず、未だにわくわくできます。
エンジンは圧倒的に信頼できるF6ですし、夢のあった時代の車は今でも魅力的です。

この車を世に出したスズキに 感謝 です。



平成19年頃から古くなったタイヤを交換し、誤動作を始めた燃料系を修理してもらい、車検のついでにエンジンもちょっと修繕してもらい、カヤバのスポーツダンパーに交換し(工場でやってもらったら工賃高かった)、高速道で不安定だったサスアームのブッシュもスズキスポーツのちょっと堅いものに交換し(自分でやろうとして2つ交換して断念 工場に任せました、でもフロントのロアアームのブッシュは工場でも抜き取りできませんでした どうやるんだろう?)ちょっと復調しました。
下駄代わりに気が向いたときちょっとだけ乗ってたのですが、所用で九州まで行く事があり、久しぶりに長距離に連れ出しました。

高速走るので2輪でちょっと効果のあったスーパーZOILをエンジンオイルに入れて定着させてみます。

目立った効果はありませんが、相変わらず7500回転以上まで素直に吹いてくれます。見知らぬ林道をマイペースで2速3速で抜けていくのはやはり気持ち良いです。
最近は電子制御の4輪駆動やFFに乗ることが大半ですが、パワーアシスト無しの素直はハンドルは少し振られても素直に反応します。身体も覚えてます。

脚が堅くなってますので、高速の目地はしっかり拾いますが細い道を軽快に走るには丁度良い具合。リミッター効かない範囲で淡々と高速流すには不都合はありません。

結果高速でリッター16キロ前後まで燃費伸びました。運転席はさすがに窮屈ですが、単発軽飛行機の操縦席なんてこんなもんです。
小さな車ですが、シートはしっかりとサポートが取られていて疲れ知らず。雨の高速で直進性もわだちの影響も排水性も全く問題なし。

やっぱり良い車です(⌒∞⌒)

普段は娘を横に乗せて公道走ってもいいゴーカートになってますが、90年代の日本車の本気をまだかすかに漂わせてます。








工房しろくま