JR Parkmite




JRから(やっと)発売された300クラス電動ヘリです。
開発の話は随分(?)前から聞いていたのですが、市販価格が先に決められてしまったり、アジア製コピー対策などで紆余曲折あった機体です。
ショーで公開された当初ホーネットもどきだなどといろいろ言われたのですが、日本の大手ヘリメーカーが真面目に取り組んで市販された意義は相当に大きいと思います。
当然ですけど・・ GPやEP問わずまともに組めて(ネジしめるだけではなく)調整が詰められる方でないとちょっと難しいジャンルの機体です。


組み立ては日本語の説明書がありますから、しっかり読んで説明書の指示に従って組んで行きます。
パーツの合いはすこしタイトになっていますので、気になる箇所はその都度完全にすり合わせを行い修正して組みます。

スワッシュの回り止めはフレームに1.6ミリビスでネジ止めしますが、位置決めのピンとフレーム側の穴がきっちり1ミリですので、そのままでは入りづらい場合があります。この場合、フレーム側の穴を1.1ミリのドリルを軽く通して無理なく入るようにします。
「無理なく」組むことができない箇所を無視して強引に組む様な事はこのクラスの機体では論外です。
テールピッチのベルクランクもすりあわせで微調整を行います。最初からぴったりで仕上がっていると緩めになっている場合の修正ができません。
面倒ですがこういう細かいことの積み重ねによってこのサイズの機体の精度は向上します。

私のセットでは、メインブレードグリップの取り付けで使う内径3ミリのシムワッシャーの外径が少し大きいのか、ハブへの取り付けでグリップと接触しましたので、外径を少し加工しました。



純正のパワーユニットは350モーターとニッケル水素8セルの組み合わせですが、私のは機体単体セットのためモーターは手持ちの物を使用しました。

モーター:レーザーマイクロヘリ Ver2 Kv4300
ESC: フェニックス10
バッテリー: VKEP900 3セル 又は E-Tec 1200mah3Cell (サンダーパワー1350mah 3セルが良いです)

ピニオンの目安がわからなかったのですが、メインギヤがホーネットとほぼ同じ歯数のため同様のセットで良さそうです。
レーザーのモーターは随分前にホーネットCPXを社外パーツあれこれ集めて組もうと思って購入していたものですが、ホーネットCPが好調のため出番が無かった物です。
Kv4300なので10Tピニオンくらいから様子を見ることにします。
シャフト径は2ミリですが、ギヤモジュールはホーネットとほぼ同じ物の様ですので流用は可能でしょう。私はGWSの350ギヤダウンユニットに使う真鍮製の10Tピニオンを見つけこれを使いました。
樹脂ピニオンの方が飛行音は静かかもしれません。ホーネットのパーツなら2.3ミリシャフトに対応したものが入手可能です。
これならばホーネットで使うモデルモータースのMini AC1215/16 やHackerのB20-15Lや22Sや26Sなども使えます。
これらのモーターの固定には2.5ミリのビスが必要です。2.6を強引にねじ込んで大丈夫という方も居ますが、Hackerなどはネジ山があまり深く無いために一発でネジ山をだめにします。



ブレードはホーネット用のグラスが使えそうですが純正の木製ブレードをテストしました。
中間部が肉抜きされているもので、剛性はあまりありそうにありませんが標準設定での飛びを知るために使ってみます。

純正ブレードの場合、ホバリングが9度フルハイで15度という設定ですが、これは飛行中にブレードがたわんで天然ねじり下げとなる事を前提としていると思いますので、このままの設定でグラスローターを使うと確実に過負荷になります。

初期設定は必ずピッチゲージを使用し説明書の通りにセッティングを行います。

私は双葉の無線機を使っていますので、受信機は146ipを使い、サーボは手持ちの3108がありましたのでこれを使います。
このクラスの機体へPCM?という考えもありますが、飛行中の誤動作や無反応が圧倒的に減ります。スローフライヤーでは空白時間もあまり問題となりませんが、ヘリの場合には影響が大きいです。
サーボは双葉やJRなどのメーカー製マイクロサーボを使います。社外品でも高性能な物がありますが、実際に飛ばしたときの反応速度やニュートラル精度はメーカー品の方が優れている場合が多いです。
国内メーカーもマイクロサーボに関してはアジア製サーボメーカーのOEMである場合が多いのですが、その場合もメーカーから要求されたスペックに対応した物をOEM供給されている場合が多いため、例えカタログデータが優れていても実際のフライトでは性能が劣る場合があります。
用途に応じてはそういうサーボの方が使いやすい場合がありますが、ヘリに限っては(マイクロ電動機もですが)メーカー品を使う方が無難と感じます。
ハイテックのHS−50やHS−55、GWSのPICOなどは信頼性高いですし、マイクロヘリでも十分使えますが他の物ではニュートラルの少し甘いものもあります。




ジャイロは双葉のGY240を使いました。ホーネットと同じようにサーボの背中へカーボン板でマウントを作りジャイロを載せています。
バッテリーはそのままゴム止めで良いと思いますが、カーボン板でプレートを作り、タイラップと両面テープでスキッドに固定し、バッテリーはベルクロを使って止めます。

バッテリーを目一杯前に出してもややテールヘビーの様でしたので、ジャイロはサブフレームを作りキャビン内に搭載し、ESCをバッテリーの上に載せた方が良いかもしれません。

スキッドは保護のために燃料パイプを短く切ってかぶせています。

随分前のE-Tec1200を使っていますが、このクラスの機体でブラシレスモーターを使う場合、適切なセッティングができていればこれで電流値に問題はありません。アクロにはVKEPなどを使いますが10A超えるような使い方はモーターが傷んでしまいます。


フライトテスト
トラッキングの合いは非常に良好でした。
パワーには十分な余裕があります。飛行音は大変に静かでベルトドライブの恩恵を感じます。金属フレームとベルトドライブのためパワーロスが極めて少なく効率の良い飛びを感じます。
操縦性はこのクラスとしては異様なくらいしっとりとしています。小舵の入りも極めて正確ですし座りも良いです。操縦系の精度の良さを大変に感じます。
大舵の反応も小舵の反応もリニアで中立付近の曖昧さもありません。非常に良い感じです。
テールの精度も問題なく、ジャイロ感度が高すぎれば普通にハンチングを起こします。テールの止まりは全く問題在りません。

ボイジャーEクラスと同じ感じで飛ばせます。JRが本気で作るとここまでの物がこの価格で(ホーネットにマイクロヘリのパーツをふんだんに使うと価格はかなりなものになります)できる事を感じます。300クラスでここまで日本の大手メーカーがやってくれるのは嬉しいです。
マイクロシルフィードという話は本当の様でした。

アジアメーカーのコピーでは絶対にコストの面で折り合わない切削メインフレームの効果は相当に大きいと思います。ホーネットでもフレーム下部へたわみ止めのサブフレームを追加し、別物の様な効率向上がありましたが、このフレームは圧倒的です。

コンテストフライヤーの方ならば350モーターで十分アクロがこなせると思います。それくらいパワーロスが少ないです。



2005/08/23



他の作業が忙しくなりしばらく飾っていたのですが、以前に入手していたMSのホーネット用対称ねじり下げ無しカーボンブレードに交換しました。
純正ブレードより翼弦が少し大きくなり長さは短く(225mm)なりますが変なねじれは消えますのでピッチ設定も正確にできます。

知人でジャイロと受信機を両方ともキャビン内に納めた方がノイズに悩まされている事がありました。ホーネットなどで追加のメカプレートを使いキャビン内にジャイロと受信機を載せることは珍しくないので原因は不明でしたが、とりあえず受信機ベッドをフレーム前端に延長しフレーム横からキャビン内部へ移動させました。
少しでも頭が重くなればという悪あがきです。

この機体で本気でアクロをする技量は私にはありませんが、上を素直に走ってくれるよう煮詰めてみようと思います。

バッテリーをサンダーパワーの1350mah3セルに変更しました。このクラスの機体では標準的なブラシレスモーターをリチウム3セルで使う場合10Aを超えることはほとんど無い(パワー重視なら別ですが)のですが、同一負荷でも電圧が下がりにくくなりますので、実質的なパワーは少し向上します。

ブレードは純正の様にウェイトが入っていないため、ホバリング時の座りは少し失われますが回転を高めで使うため、回してやればそんなには問題ありません。
純正ブレードに比べ翼弦が大きく、ピッチを取りすぎると抵抗ばかり増えて揚力はあまり増えませんので、回転優先で調整してやる必要があります。
回転数が維持できていれば大舵打っても少ない舵角で同じ動きができますから回転のロスも減ってきます。

純正ステッカーのキャビンでは上で走らせた時の視認性がちょっと不利かなとは思いますが、感触は良い様です。

2006/03/06

通販でFRPキャビンが入手できました。ABSでも問題は無いのですが、最初から黄色になっている事と少し重くなってテールヘビー対策になればと思います。そのままでは少し味気ないので蛍光ピンクでラインを追加し、テールパイプにも2カ所巻いて視認性向上をねらいます。

ピッチが合ってきたのかアイドルアップ1(上空モード)で素直に走るようになりました。小さな機体ですので風の影響はかなり受けますが正確に舵が効きますので無理をさせずトリムを合わせて行くとけっこうな速度で伸びてくれます。
姿勢が見づらい事には変わりませんが無理の無い範囲で走らせるには問題無いようです。
ローターのばらける音が出るような急操舵でもしっかり追従します。簡単なストールターン程度は何も問題ありませんでした。

400クラスの機体の様な凄まじいパワーはありませんが、従来の300クラス(ホーネット・プロピッコロ)と比べるとかなりしっかり飛ぶ様に思えます。
風が強い中での降下進入は少し注意が必要ですが現在のパワーユニットで問題は無いと感じました。

腕が無いのだけ・・が問題。

2006/03/10

グライダーや電動ダクト機が忙しくしばらく飾りとなっていましたが、送信機のスワッシュ設定を煮詰め、夏の暑い日に上空テスト。
上空モードや3Dモードで回転に大きな余裕は無いのですが、ちょこちょこ走る機体を抑えてやると活発に走ってくれます。ループはなかなか度胸が無かったのですが、やってみると普通に反応して綺麗に回ってくれました。CCPMモードでのスワッシュの動きに少し癖が残っていて、今までは最大ピッチ最小ピッチで変な動きが気持ち遭ったのですが、これも解消し思いっきり高度上げて小心者のアップフリップもごく普通。
ジャイロはGY240なので細かい詰めはできませんが、変な動きも無く素直に飛び回ります。小ささのため、離すと姿勢が見づらいのは仕方ありません。

良く飛ぶ(⌒∞⌒)

今はT-REX450が圧倒的にパワフルで正確に動くので、この程度は当たり前に思われますが、300クラスのヘリでこれだけきっちり動くのはなかなか凄いです。
えらい!>JR
初期型ボイジャーEより良いかも。

アメンボ付けて入門者が扱うにはどう考えても不向きなのですが、丁寧に扱ってやればけなげに飛んでくれます。
日本製電動ヘリも頑張ってます。

(急降下からパワーかけてリカバリーするのは、少し余裕持っておいたほうがやはりよろしい様です)
水平尾翼付けてやってもいいかもしれません。

2007/08/06