工房しろくま


小型電動飛行機の部屋



CD-ROM モーター

ジャンク品のCD-ROMモーターを改造してこのところあちこちで見かける あれ です。
いくつか現物を見たのですが、実際に超小型機に乗せて飛ぶ事を考えるとちょっと疑問な(クリックには最高)部分もあったのですが、コイルの巻き線を見ているとなんだか星形空冷エンジンのシリンダーに見えてしまい・・
当初地元のジャンク屋さんを探したのですが入手できず(そのかわり50XCより小さなモーターが大量収穫)ラジコン談話室の掲示板でいろいろ勉強しているとまだ入手が可能・・というお話を聞き、ホール素子のおまけとしてついてくるモーターを調子に乗って十個ちょっと買ってしまいました。(でも一個40円)


基盤からの分解は、先人のHPにいろいろ大切な情報があります。私は素直に基盤の裏にブロックを置いて上面のシャフトをオーマチックポンチでガッツンガッツンたたいて裏面のカバーを抜き取りました。
樹脂製のリングでシャフトは止まっていますがこれは簡単に取れます。
コアのマウント(軸受け)は上側からたたけば基盤の裏に抜けます。

詳細は詳しい方のHPにいろいろありまして、非常に勉強になったおかげで何も苦労せずに済みました。
コイルの線を全部ほどき、市販のポリウレタン線を巻いて行きます。
これが大変に難儀でした。
自慢ではありませんが、私は電動カー全盛の時代にも高出力な手巻きモーターとか自分で巻くモーターには一切手を出しておりませんです。

最初0.4ミリの線を24ターンで巻いていったのですが、なかなか言うことをきかず失敗。手が痛いです。
0.3ミリを20ターンでとりあえず巻いてみました。ターン数を増やして大きなダイヤのペラを回す方がこのタイプでは効率が良いのかもしれませんが、積む予定の機体(ラトルスネイクの零戦)ではあまり大きなペラを付けるわけにもいかず、低負荷のペラを高回転で回して電流値を抑えようという素人の目論見でございます。

構造は「とりさんの独り言」で紹介されていたオリジナル特注モーターにちょっと似ていますが、PJSのまねもしてます。
手間を考えるととりさんのHPのモーター、とてもあの金額で配布できるとは思えませんが、大変な熱意があるのだと思います。

で・・うちのは、センターを360ベアリング2個支持。マウントは別体ですがねじ込みではなくイモネジ止め。ローターはエアクラフトからマグネットも入手できたのですが30パイの材料がなく、純正の耳を削って使いました。シャフトは田宮のダンパーシャフト。後部はeリング止めです。ローターの先端(CDの穴に入る部分)の穴にはまるようにプロペラアダプター兼用のハブを作り瞬間で固定しシャフトへはイモネジ固定です。従ってシャフトは前後にしか力がかかりません。
コイルの線は蛇の目基盤を先人に習って処理しています。

これで零戦のカウリングの中にちょっと余裕で入ります。
重量は50XCのヒートシンク無しと比べ3グラムほど軽くなりました。(50XCより重くなってリチウム積んでも重心が合わせやすいという目論見はガラガラと大きな音をたてて崩れていきました)(どうしよ)



体力測定
電源:E-Tec Li-Po 1200mah 2cell
コントローラー:キャッスルクリエーション フェニックス10
巻き線:0.32ミリ 20ターン スター結線

定評?どおりフェニックス10では高回転で動作不良(進角ずれ?)を起こしてしまいました。
GWSの4040ペラ・5030ペラでは中速まではついてきますが、高速でだめ。進角設定を変えてもそれほどの向上は無し。
4025ペラ(50XC定番)だと順調に回ってくれました。できれば機体に700mahのリポを使いたいので3Aくらいで収まってくれないと話になりません。

4025ペラのフルパワー時 1.9A@7.2V これで 14400rpm でした。
1.5Aで抑えようという欲望は砕け散りましたが2Aなら良しとせねばなりません。700mahのセルなら余裕でしょう。
250mahセルを使いたかったのですが、これではどうみてもテールヘビーとなります。
22ターンくらいにしてやっても良いかもしれません。

これで50XCが4025ペラを2万回転近くまわしていたら・・・・ かなりショックですけど・・・。
機体は生地完まで作業が進んでいますので、エンジンマウントと第一胴枠の隙間までバッテリーが出せれば重心は合いそうです。
ターン数を変えて3セルにしてしまう方法も可能性としてはありますね。コントローラーがブラシモーター用5Aの物より重くなりますが、50XCの様なヒートシンクが要らないので重量は相殺されるんじゃないかな・・・です。あとは重心位置次第ですね。

気になる比較
50XCに4025ペラを付けたCLICでの測定 (電源は同じ)
4025ペラでの全開で 3.2A 13800rpm でした。回り始めは14000位行きますが直ぐに落ちます。実際にこのモーターで連続フルパワーという事は無いのですが、思った以上に流れていました。自作ペラアダプターですので、もっと精度が良ければ電流値は落ちるかもしれません。
40円モーター(純正磁石)が健闘しています。

フェニックス10コントローラーで高回転の不調があっても何度かゆっくり回転を上げれば学習するという話を聞き、5030ペラでテストしてみました。
結果 5030ペラ 3.0A@7.2V 11800rpm でした。正し発熱が多少あります。
実際に上で飛べば負荷はもっと軽くなりますし冷却効果も上がりますから、これでも問題は無いようです。

意外に40円モーターが頑張っているようです。また50XCモーターに4025ペラというのはかなりの負荷でもあるという事になるのかもしれません。
12RLC(EDF50のモーター 50XCより高回転タイプ)では過負荷になって当たり前でした。

大事な補足
後日フェニックス10の新バージョンでテストしたところ、5030ペラを12200rpm回し2.88Aでした。(電圧ドロップはほぼ同じ)(進角標準)
新バージョンではパワーをかけたときの失速もありませんし、若干効率も上がっているような気がします。
パワーだけで考えるとHackerJeti のMASTER 08-3P も魅力なのですがフェニックス10もなかなか良い様です。
2003/10/04


クリックへの搭載例をみていると、かなり大きなペラを使われているケースが多い様です。ターン数を増やしてそういう設定も面白いのですが、零戦にゴム動力機並の(とはいえ1機目のエアリカ時代の零戦は180ミリペラでした)ペラを使うのも面白くないので、5030あたりが回せるのを目標にしてみようと思います。

見た目が非常に可愛らしいので・・・ ちょっと気に入っています。現状テストで発熱は皆無でした。
2003/09/10



またごそごそ細工しています。エアクラフトさんからCD−ROMモーター用の貼り替えに使える磁石が入手できたので、1セット交換してみました。
私の機体(黄色の高翼 0.32の25ターンスター結線リチウムポリマー2セル)では極端な違いはあまり感じられませんでした。小さめのペラを高回転で使う方向で組んでいますので、大きなペラを使う場合には効果が大きいのかもしれません。
ESCの起動の癖は大差ないようでした。
ぶれぶれ画像はご容赦
ローターのプラ部品を取り除きプロペラハブに直接接着(セメダイン001)してみました。シャフトがハブに入る長さが稼げるため精度はこの方が良くなります。ペラを3ミリネジで固定する方法をやめ、シャフトに固定する方法にすればハブが貫通穴となりリーマー仕上げが可能なのですが、現時点では2.9のキリで下穴を開け状態の良い?3ミリで仕上げています。
これは精度もそこそこ確保でき気持ちよく回ります。(磁石貼り替えは未加工)


お約束?の磁石貼り替え版です。とりさんのHPに紹介されている方法そのままです。瞬間で大丈夫?と思ってましたが問題は無いようです。
磁力の弱い樹脂製磁石ですが、ばらしてみるとけっこうひっつきます。(貼り替えのネオジウムとは比較になりませんけど)
この強烈磁石、機械式(ゼンマイ)腕時計には天敵みたいなものですので、省電力静粛飛行の場合にはノーマルも良いかもしれません。

磁力の弱いモーターで起動時にすぐに回転が立ち上がらない事があります。磁石を貼り替えたら解決するのかと思ってましたが、極端には変わらないようです。(この黄色の機体にはHackerJetiの8Aタイプが使ってあります)進角設定などで解決するのかもしれませんが、送信機のプログラムミキシングを使い(双葉のFF9)ノーマルで始動させ、飛行中は余ったスイッチからオフセットミキシングをかけ、アイドル回転数を上げ(止まらないように)ておくと(エンジン機のアイドルダウンの逆)安心かもしれません。
しなくても曲技中の瞬間的なオフではペラが惰性で回っていますので(着陸アプローチでも)問題は起きてはいません。

折りペラを使ってグライダーに使う場合はちょっと考えた方が良いのかもしれませんね。

2004/01/26


もう一個

もう少し構造を簡単にして製作してみました。
ローターのハブは以前製作して格好良かった?ものにしています。画像では磁石張り替えはしていませんが、私の使い方ではあまり大差ありません。
マウントは初期の物は取り付け穴3個でしたが、2個に変更し加工工程を減らして(簡略化)しています。
機体取り付けで防火壁に穴をあければ、シャフトホルダーは後ろに突き出てもかまいませんので(この方がシャフトの保持間隔が広がって振れにくい)少し長めにしています。
ベアリングは前後とも内径3ミリ外径6ミリのフランジ付きです。少し前から硬い材料に変えましたので、穴加工の精度も上がり、ベアリングは素直に入ります。
メインのホルダー?は前側が8.3ミリ位でコアが丁度はまる程度で瞬間を併用して固定しています。先にコアを接着しておいて、ホルダーを持ってコイルを巻いていきます。後部のマウントに入る側はマウントの8ミリ穴に丁度入る太さに現物合わせです。

端子のプレートはエポキシではなく、旧来のベーク板の汎用蛇の目基板です。この方が半田が楽でした。

ローターのカンはそのまま黒いプラのハブを使ってもいいのですが、こういう形式のハブだと、ベアリングの端からプロペラ取り付け用のネジぎりぎり(ネジは深さ6ミリ)まで3ミリで貫通できますので、振れにくい物が作れます。だいたいの外径にハブとローターが合わさる位置を仕上げておき、カンの穴をテーパーリーマーで広げながら合わせます。接着はセメダインEP01で今の所問題ありません。
ローターの外径が広がらないため、小型機の機首に収めるには具合が良いです。

マウントを使わないのなら、内径6ミリ外径8ミリのアルミパイプの両端にベアリングをはめ、コアの取り付け部にアルミテープか極薄のアルミ板(真鍮でも燐青銅でも良いですが)を巻き付けて径を合わせると、旋盤無しで加工できるような気がします。
この場合は、ローターのハブは純正の黒いプラパーツを使い、シャフトはハブに固定してしまい、シャフト後部を内径3ミリのベアリングシムを入れておいて内径3ミリのストッパーで(Eリングでも良いですけど)固定すれば工作機械無しでも作れると思います。
(クリック用に作ってみたいのですが、まだやってません)出力側は3ミリシャフトのままですので、その先に市販の3ミリのプロペラアダプターを使えば、精度に悩まず適度に面白いものが作れそうです。
後ろのストッパーは無くても磁力でローターは抜けないという話もあります。オリジナルの真鍮ホルダーを使って、オイルでフローティングさせれば、思ったほど耐久性にも問題は無いと思うのですが、シャフトの保持間隔は長い方が良いかもしれません。
この場合は、50XCをタイラップで固定するような方法で搭載できます。

作例で、0.32puw線を27ターン巻いて、GWSの6030ペラをリチウムポリマー2セルで2.8A位で回しています。
ゆったり飛ぶ機体には丁度良さそうです。

2004/04/05




1997-2004 p-bear@ba2.so-net.ne.jp