HET-R/C F-18 Hornet




モーター:MEGA 16-15-3
バッテリー:ハイペリオン3300mah 4セル
ESC:ハイペリオン 50Aスイッチングレギュレーター仕様
受信機:双葉 R146IP
サーボ:双葉 S-3101
重量:1070グラム(程度)

HET−R/C製のARF480クラスダクト機です。QEFI誌などに画像や広告が出てますが、ボール紙の排気ダクト?で変な単発機にデフォルメしてあります。Warbirds−RCさんでも入手できますがワールドエアモデルの松本さんにメールのついでに聞いてみると取り寄せ可能とのこと、年末休みなどで少し時間かかりましたが、年明けに届きました。WAMではヴェモテックとありますがHET−R/C製です。



製作
製作といってもかなりの部分が完成済みですので、主尾翼の取り付けとダクトの取り付けとリンケージで完成します。コクピットを丁寧に仕上げると雰囲気は格段に良くなりますが、今回ちょっと急いで製作したため操縦席は保留しました。

説明書では主翼の取り付けに治具が必要な様子でしたが、私の所に届いたキットでは主翼のノックピンが付加されており、説明書通りにマイクロバルーンを混ぜたエポキシが食い込む様に接着面の周辺に穴を開けて接着すればアライメントはほとんど狂わない様になっています。かんざしの精度もかなり良いです。

キットの内箱を使って主翼下面で上反角0度になるように固定し硬化を待ちます。

垂直尾翼は110度のゲージをボール紙で作りエポキシで接着しますが、バルサが日本で使うものほど質は良くないためか樹脂があまり染みこみません。垂直尾翼の接着面はちゃんと110度で面が出るように加工しておきます。
(私は当初接着が悪く、調整フライトでの転倒で垂直が剥がれてしまいました)

サーボは両面テープで貼って瞬間で補強しなさいとありますが、後々の事も考え3ミリベニヤでサーボがはまりこむマウントを作り1ミリジュラ板で押さえています。(壊れても交換できます)
サーボは2個だけですので、双葉やJRや三和のまともなミニサーボを使う方が安全でしょう。
フライングテールの駆動軸のストッパーのイモネジは通常の1.5ミリの六角ではしっかり締まらなかったのですが、別にインチネジというわけでもなく、精度が甘いだけでしたので、市販の3ミリイモネジに交換しておいた方が良いかもしれません。

バンジー用のフックは2ミリピアノ線の物がキットに付属していますので、3ミリベニヤ2枚重ねのマウントをバッテリー室下に貼って、ピアノ線の接着面に少し傷を入れ(回り抜け止め)エポキシで貼っておきます。

ノーズコーンと排気口はお約束のスーパーX。

ステッカーは良い物が付属していますので、楽勝です。実機の画像とパイロット名を確認しながら貼っていきます。(市販品は楽です)


ダクトユニット
ヴェモテックのミニファン480を使います。丁度エアクラフトさんから随分前に入手していたものがありましたのでこれを使います。
ドイツ製だからといって、フルカーボンの超高精度ダクトを期待してはいけませんが、京商のものより良くできています。
インペラのバランス取りは根気よくしますが、何故か変な湯口が残ってます。いいのかな?と思いますがバリだけ落としてなんとかバランスを取ります。スピンナーは何故かバランス狂ってますけど、少しずつ角度を変えては回して行くとだいたい(?)合う箇所があります。
このあたりは480ダクトのベテランの方が大勢いらっしゃいますので、いろいろ勉強します。

ハブはイモネジ止めですが、内径仕上げが結構良い精度なのでそんなに振れは無いと思います。気になるなら京商のコレット式のハブも流用できるような気もしますが、エンジンヘリでクラッチの芯出しを思えば普通の作業です。

アウターケースは普通の樹脂製ですので、手でもって回すと歪む事があります。機体の取り付け穴は何の加工もせずぴったり入ります。

モーターは当初メガの16−15−2でテストしていましたが、FANCalcのデータ通りリチウムポリマー3セルでは50A以上流れてしまいます。
これはこれで絶叫ユニットには面白そうですがPQ4400ではちょっと辛そうでしたので、4セル仕様として16−15−3を使いました。
中国製のWarpの2ターンも使えそうですが、いきなりはちょっと不安でしたのでここはメガを使います。


メカ類
リチウム4セルですので当然ESCのBECは使いません。雷電から降ろしたJETIの40AがありましたのでこれをS−Becと組み合わせて使います。
QEFIで見た画像ではESCはダクトの外(サーボの前 受信機の反対側)に載っていましたが、配線がごちゃごちゃしますので、モーターの後に収縮チューブでモーターのリードとくるんでおきます。冷却優先です。(モーターのリードに直接力が加わらない様に)

バッテリーからの電源ケーブルは胴体の背中を通します。私はダクト横に防震材で巻いて搭載しましたが、リードが通るなら機首のバッテリーの後へ搭載する方がESCやレギュレーターから離せるため安心かもしれません。
双葉のR146IPはレンジ300Mですが、この機体でそれ以上離れることはありませんので安心して使えます。
このクラスの機体で社外FM受信機(Bergやシュルツェは私も愛用してますけど)は避けた方が安心かもしれません。ただ、あまり大きな受信機は搭載スペースがありませんので、この場合は機首に積んだ方が対応できます。

S−Becを使いましたので、受信機用の電源スイッチを胴体後部パネルに付けておきます。これならバンジーの時に胴体を後からもったまま電源が操作できます。(スイッチが後でオンに必ずなるように)(ひっかけてオフになったままバンジー発航はしたくないですから)

ハイペリオンからスイッチングレギュレーター内蔵のコントローラーが発売となり、50Aのものに変更しました。たまにカットが入っていたのが解決。


セッティング
重心位置は主翼前縁から約70ミリ(インチ換算でだいたいこれくらいのはず)で問題ありませんでした。私の機体はPQ3100の4セルをいっぱい前に積んでますが、25グラムほど追加のバラストが必要でした。

テールはフライングテールのため角度が怪しいのですが、胴体水平面に対して主翼が迎角0度で付いていますので、ややアップ気味に(エレベーター前縁で2から3ミリ)セットしておきました。(フライトでエレベーターはほぼ合ってました)
舵角はD/Rで使い分けますが、エレベーターはやや少なめ、エルロンはけっこう大きめの設定です。
「常識的な範囲で設定しなさい」と説明書にありますので・・ 少しずつ好みに合わせます。


フライト
阿蘇で
阿蘇観光牧場飛行場での飛行会に参加させてもらい、テストフライトをしました。
バンジーは外径7ミリのゴムチュービングを7mに3mほどロープをつなぎテンション5キロ程度をかけています。(草地からの場合はもう少しかけた方が良かったです)
最初ですので低めのテンションでトリム合わせを行いたかったのですが、滑走路に対して完璧なクロスウインド、変に浮いてしまうと滑走路横の谷に行ってしまいますのでいきなりパワーを入れなければなりませんでした。
ちょっと心配だったので手を離した(リリースペダルまで製作が間に合わなかった)直後にパワーを入れましたが、ちょっと左に(風で)取られただけで普通に加速上昇していきました。
(2フライト目はパワー入れるのを遅らせましたが、この地面では加速不良になりました)
舵角はほぼ適正でした。エルベーター動作のためロールレートは早くなりませんが、どっしりした感じです。京商のT−33に匹敵する安定性があります。工房しろくま製の1/20A−4から比べれば練習機並です。はい。親指ぴくぴくの緊張も無く、快音ですっ飛んでくれます。
静止推力が自重を上回っているわけでもないですが、中速から引き起こしても垂直にそこそこ上がります。高速ローパスから真上に向いてロールして抜けるのは快感。
ループもけっこう大きな物が可能です。エルロン動作の舵角を増やすと抵抗もそれなりに増えますのでロールレートはそこそこにしておいた方が良いかもしれません。
(エルロンが在った方がこの点は有利ですが、失速特性はエルベーターの方が良さそうです)

変な振動もそれほど無く、高性能掃除機の様な音で飛びます。

着陸は思ったより浮きます。しかもけっこう速度が落ちても浮いていますのであまり無理させて速度を落としすぎない様に注意は必要です。
できれば横風での着陸はしない方がひっくり返らないで済みます。
少し重心位置前気味で若干頭上げで飛ぶようにした方が着陸でアプローチが楽になるかもしれません。

 笠岡にも出勤
知人の飛行会が笠岡であり、「笠岡にいるんやけどSさんこんの?」と電話をもらい、翌日仕事の合間にちょっとだけおじゃましました。
阿蘇で破損した垂直をせっせと直しフライトに向かいます。A−4のコルセアブルーと並ぶと微妙に色が違いますがどっちでしょ?どちらも#5ですが、スカイホークの5は手持ちのフォントに似たようなのが無かったため並べると違いがわかってしまいます。

今回は大勢の方の飛行会で、しかも横風だったためバンジーを張るスペースもなく、迷ったあげくに手投げ実験です。
幸い胴体後部は四角ですので手持ちに問題はありません。笠岡の舗装路へ万が一接地したときのために後部胴体下面へ透明テープを貼っておきました。

一生懸命(本人はそのつもり)走ってスナップをかけずに水平に押し出すとやはり少しは沈みますが、舵もそこそこ効いてくれます。1ターン目まではちょっと注意が必要ですが、京商F−16を手投げすることを思えば楽勝です。初期のだまし穴無しT−33と同じ程度に手投げは可能です。

阿蘇でのフライトで5分程度では1500mahも消費していなかったため、バッテリーの心配はありません。送信機のアラームは5分で設定していますが8分程度は操縦者ががんばれば飛びそうです。
阿蘇に比べ気圧が高いため少しパワーが上がったような気がします。「目の前をローパスしてやーーー」の声にも応えます。
もう少し速度が上がっても問題はないかなと人間の欲は深くなってゆきます。

滑走路に合わせてアプローチし、伸びた分だけ無理せず滑走路脇の草地で接地。無事回収。

手投げで問題なければ、胴体の痛まない場所で着陸できれば飛行エリアは広がりますね。
バンジー用にランチ台が在った方がいいのかもしれません。

ARFですので飛んであたりまえな部分はありますが、ちょっと爽快になれる機体です。

パイロットも載せないといけませんね。

2005/05/21

バンジーランチ
6月に再度知人のクラブの飛行会があり、笠岡で飛ばさせてもらいました。
事前にEDF50のA−4と同じような形式のランチ台を考えていましたが、買ってきた押し入れ用のすのこをベースに作ろうとしたのですが、F−18の場合主翼下面よりもエレベーターの方が下にあるため、ランチ台の幅が無いとエレベーターが接触してしまうため断念していました。RBCのA−4やVASAのF−5用に作っておかないといけないのですが、本格的な物を作った方が良さそうです。

ショックコードは外径8ミリのゴムチュービング7mにロープを3mつなぎリングを付けています。これを4から5キロのテンションまで引いています。もう1サイズ太いゴムチューブの方が良いかもしれません。(年に数回の使用では保管中に劣化してしまいますので予備は持参してます)
リリースペダルは作って無いのでこの状態で機体のフックにかけ、地面に水平な状態から射出します。
右手で機体後部をつかんだ状態でフルパワーにし、左手で送信機を持ってエレベーターを少し引いた状態で右手を離します。
手順を間違えると悲しい事になります(ノ ̄∞ ̄)ノ
機体下面にインテークがあるのですがショックコードで引っ張られている最中にパワーが入ってないと5キロ程度のテンションでは離陸しません。

リリースペダルを使うと立ち上がった状態で操縦できますが、ショックコードから二股のロープをつなぎ、片方を機体のフック、片側をリリースペダルという構造にするとリリースペダルを踏む前にパワーを入れると機体が少し前進してしまいます。
片手でホールドしていればこの問題は解決します。

グライダーの様に立ち上がったままでフックをかけた機体を片手で保持し手投げする方法もありますが、手投げが水平で無いと(助手の方に投げてもらうと楽ですが)難しい面もありそうです。

発進直後はやはりバンジーを使う方が安定しています。いろいろ工夫してみる必要がありそうです。路面が平坦ならJEPEのショックコードの様にタイヤを使って少し機首上げの状態で発進させるのも良さそうです。(この機体はもっと小さなサイズですので簡単な物で良さそうです。)

フライトにも少し慣れ着陸も問題なくなりました。延々と垂直上昇とはいきませんが、高速水平飛行から引き起こしてロールで抜けたり大きめのループや背面も問題ありません。
人間慣れてくるともう少し高速でもいいかな・・などと思ってしまいますが、パワーユニットの組み合わせにも無理が無く、普通にフライトして電池残量も余裕があります。
RBCキットのミニファン480仕様の機体でこの組み合わせも面白そうですね。

2005/06/11

バンジーペダル

機体を地面に置いたまま片手で機体持って手を離してスタート という方法を使っていたのですが、ジールの垣内さん達が使われているタイヤ付きのダリーとリリースペダルの方法を見よう見まねで作ってみました。
構造は簡単ですがこれを使うと機体は機首を少し上げた状態で走ってくれますのであっさり浮いてくれます。地面と平行に加速しながらエレベーター引いても胴体後部が地面に押しつけられるだけで難儀しておりました。しかも加速の補助でファンを回すと吸気口から草が入りますし地面に吸い付こうとしてしまいます。

今回のフライトでこれを使っていとも簡単にあっさりと安全なスタートが可能になりました。(テンションは5キロ程度 7ミリゴムを7mくらい使ってます)
ESC載せ替えでダクトを点検したところ、草刈り機並に中が汚れていました。ダリー使う方が良いですね。

海外では大がかりなカタパルトを使っているのも見かけますが、車で遠征するときに相当にかさばりますし、助手に持ち上げてもらったままでリリースというのも一人で飛ばすには不可能です。
非常に良いアイデアだと思います。これならF16も大丈夫かも。

今回のフライトから機体のESCをJETIの40Aオプトからハイペリオンのスイッチングレギュレーター内蔵の50Aに交換しました。以前はS-BECユニットを使っていましたがコントローラーに内蔵されたので搭載は楽になりました。ESC本体もモーターの後(ダクト内)に置いていたものを機体内部に引っ越し。
上空での変なカットも入らず、非常に安定して飛ばせるようになりました。ノイズはほとんど問題ありませんでした。

相変わらず大変に飛ばしやすい機体です。

2007/05/26