お彼岸明けに阿蘇へ行ってまいりました

2月下旬から父が生前作ってそのまま置いてあったグラウプナーの4mクラスのディスカスが気になっておりました。
今から10年以上前に父が購入し組んでいたのですが、当時は今のように阿蘇へスロープ機を飛ばしに行くこともなく、ショックコード?エアロトーイング?といろいろ考えてテトラのパイパートリぺーサーやらEZピラタスポーターなどで引っ張ろうかと考えていたのですがどうも難しい様で、発病して一時期小康状態であった頃に回復したら山陰の山で投げるだけ投げてみようかと話していた機体です。
父が亡くなって、私もたまにスロープで飛ばすようになり最近は地元の極めて狭いスロープエリアへも先輩に教えてもらいながら出没しているのですが、阿蘇で羽山さんや有川さんにいろいろお話を聞いている間になんとかなるのじゃなかろうかと思うように(無謀にも)なり、機体を再整備して阿蘇へ出発したのであります。

でも・・ 事前に聞いてた話では「投げにくい」「下向きに思いっきり投げないと浮かない」「スケールは速度が上がるまでなかなか浮かない」とか怖い話がいろいろでありました。

21日のお彼岸の法座を終えて、御講師の方を広島駅に送って自宅夕食を食べた後、ゆったりと出発です。広島を6時過ぎて出ると山陽道の広島近郊は車が多いのですが、福岡エリアに入ってから小倉から博多の渋滞が無く楽なのであります。
いつもの阿蘇での飛行会や家内の里帰りの迎えついでのフライトでは天気が悪くても決行なのですが、今回は出発直前まで天候をチェックできます。雨男の定評が極めて強いのでありますが、今回はたぶん大丈夫。風も北はあまり入って無いようです。

 関門橋を渡る頃には真っ暗

九州道から大分道へ入り、最近定番コースとなっている日田のビジネスホテルへ宿泊。コンビニで夜食を購入し、わくわくしながら睡眠。

翌日「珍しく晴れた」日田の朝を迎え、途中杖立温泉で休憩しつつ大観峰へ向かうのであります。
 ゆき?
駐車場の片隅にはまだ雪が・・ 野焼きはまだという事前情報でしたが、21日に野焼きがあったようです。

美味しい牛乳で自然に乾杯なのであります。 (斜面真っ黒やん・・)

10時頃に羽山さんと約束していましたが、KANAMEさんの出発が少し遅れるとの連絡。 駐車場の反対側に居た青い車が気になってましたが、挨拶して話をしているとその方も関西から飛ばしに来られて羽山さんと飛ばされるとの事。待ち時間にいろいろお話させていただきました。

お二人が到着されて、機体もって売店で名簿に記入して飲み物買ったら いざ出陣。


屋外で組むのは実はこれが始めてだったりします。形がある間に記念撮影。


KANAMEさんは早くも飛ばし始めていますです。
私もコリブリやら旋燕やら無難な機体で指慣らし。現着頃には少し北風が入ってましたが、安定した西から南の風になってくれています。


さて・・ そろそろ行きましょうか

KANAMEさんにランチをお願いして舵の最終確認して びびりながら準備完了。事前に羽山さんから「浮かなかったら緊急着陸はあそことあそこね」と遙か彼方の安全地帯を教えてもらいますが、緊張は増すばかりであります。

KANAMEさん、渾身のランチで転けるかと思う勢いで放りだしてくれました。
そのまましばらく沈んでいくのかと覚悟してましたが、良い風のお陰で意外にもあっさり浮いて行きました。長期の保管で主翼の捻れも心配でしたがそれも問題なし。ただ、エレベータートリムがやたらとアップになっていて、合わせるまでしばらく格闘。

浮きはなかなか良いですし、重心位置も適正の様ですが、エルロンの反応がかなり重い感じです。エルロンからラダーへミキシングもかけてましたが、あくまでも動きはゆったりとしてます。
スピードモード、サーマルモード共に調整がそこそこできた頃にはゆったりと舞ってくれました。

スポイラーはけっこう効いている様ですが、エルロンでのエアブレーキ(不要でしたが)動作では思いっきり頭下げ、ミキシングの補正をなんとか取りましたが、スポイラーだけで良い様です。ダイブさせたりロールやループも問題無し。小型機のような動きとは違い、あくまでもしっとりとしたフライトであります。


もし何かあっても羽山さんが側に居て下さいますので、なんとかなるんじゃなかろうか・・・で甘えまくり。


スポイラー出して内牧の町をバックに進入中。 何度かアプローチのコースを試してみましたが、近くに来ると意外に速いですし、旋回も大きめなためなかなか思うようになりませんです。
思いっきり下まで誘導してスポイラーとエアブレーキ使いまくって何とか斜面に誘導。

が・・ 速度を下げすぎて届かなかった事が気になり、ややオーバースピードで進入。接地できないで目前通過のためスポイラー解除してゴーアラウンド・・・と思ったら山の向こうへ機体が行って視界から一瞬消えてしまいましたです。
 あらら
幸いなことに野焼きの灰がクッションとなり翼端引っかけたにもかかわらず何とか回収できました。

 あぁ・・無事帰ってくれたであります。
エルロンリンケージとスポイラーとラダーホーンを少し痛めましたが、主翼・胴体共にダメージ無し。

あぁ・・・疲れた(ノ ̄∞ ̄)ノ 気力が途中から抜けて降ろすには不足していたようです。
何度か飛ばせば慣れるような気がしますが、父の形見でありますので、あまり無理はしないのです。形あるまま回収できたのが何より嬉しいです。
とても一人で飛ばせるような物では無いことを実感。
羽山さんKANAMEさんに大感謝です。
スケールも良いです。


そのKANAMEさんの最近ロールアウトしたサーマル工房のASK21、諸事情で重くなったと言われてましたが、この風だとギュンギュン飛んでました。(私のASKは昨年5月の無理なフライトで壊れてしまいましたが、今回2号機製作のため購入済み)


同じくKANAMEさんのメーヴェ。風を少し選ぶ機体の様ですが、今回は舞いまくりでありました。KANAMEさんの飛行ラインは横で見てると非常に綺麗です。


中岳の山頂にはうっすらと雪が残ってました。

その後、ラディナDXを飛ばしてやり、送信機の設定を変えていたため、あれこれやって遊んで本日のフライトは気力も無くなって終了。
羽山さんが早めに山を下りられるとの事で、一緒に撤収。
少し霞が多かったですが、最高の条件と人に恵まれて飛ばしてやることができました。幸せであります。

KANAMEさんの車の後をついてミルクロードを降り、娘さんのお迎えにも同行させていただき、二人で熊本市内へ。

 こりが噂の「熊本バーガー」
菅之屋さんの馬バーガーの様なインパクトはありませんが、普通にでかいのであります。
 半分食べるとこうなります。(歯形ごめんなさい)
このお店、パンは何を頼んでもこのサイズの様です。ポテトとドリンクついて500円でお釣りが来る衝撃価格。余分なソースでごまかしていないので味もベーシックに美味しいであります。

その後、熊本での定宿にチェックインしてKANAMEさんと市内へ出ます。「TOKUさんに連絡してみます?」との事で仕事中だった(ごめんなさい)TOKUさんと連絡が付き、時間合わせて合流。美味しい居酒屋さんでしゃべりまくって、更にたまに行く飲み屋さんでしゃべり続けて解散。
TOKUさんと今年は双発機であります。

翌日そのまま熊本ICから帰ろうかとも(思い残す事無く飛ばせたので)思いましたが、このまま帰るのももったいないし、「戸無しの蕎麦」へしばらく行ってないなという事で再び阿蘇。
 2日目はコリブリと旋燕だけ
このコリブリ、浮くか浮かないか怪しい風から強風時まで嘘みたいに良く飛んでくれます。
サーマルにも恵まれ、カラスの群れがサーマルで上がってくるほどでありましたので、それに混ぜてもらい、好奇心の強い一羽に執拗に追いかけられて(あまりからむと後で仕返しされるとの知人の情報)そういう場合はスピードモードで風上へ突っ込ませればカラスは追いつけないのであります。
降ろそうとすると風が強くなってきたりしますが、こういう機体は確実に足下に帰ってくるのです。

冗談で高度上げてからスピードモードでダイブさせて裏風に入れてその中で回すという事をしてみましたが、ラインがなかなか揃わず苦労してる中、何度かまぐれで未知の音を出しながら未知の速度域で走ってくれました。
コリブリあなどれませんです。(⌒∞⌒)

zuniのキットも実は入手済みなのであります。

やはり自分は小さいのが好きなのね と妙に納得し、楽しい思い出の快晴の阿蘇を後に致します。

しかし・・今回はやたらと自転車でグループツーリングしてる学生さんが目立ちました。自転車にも熊本エリアは天国ですね。

212号線へ出て、蕎麦街道の一番南の入り口から(少し遠回りですが阿蘇側から入るときは途中で別れるより道が良好)戸無しへ向かいます。

グライダー飛ばしに来て、この坂を傘ささずに上がるのは極めて珍しい事なのであります。この道を上がるだけで期待に胸膨らむのです。
出雲蕎麦ほど強烈ではありませんが、添え物の精進料理もなかなか美味しいのです。
「ざるか地鶏そばも食べようかな」という良からぬ思いを打ち消し、素直に帰路に着きます。
212走って日田から大分道。鳥栖から九州道へ入って関門海峡めかりSAにて休憩

 これが いきなりだんご であります。
熊本ではメジャーな団子ですが、ケロロ軍曹のおかげか小さな子供達が「あ いきなりだんごがあるよー」と言っておりました。
私もビニールに包まれてべたべたになってしまったやつを一個。 本物は熊本で食べましょう。

そのまま走って夕刻前に無事帰宅。私としては奇跡に近いほど、一度も雨に合うことの無かった阿蘇でのフライトでありました。

ASK21とzuniを組まねば(⌒∞⌒)





2007/03/27