工房しろくま


グライダーの部屋


Early Bird (アーリーバード) マムシ重工製


マムシ重工から供給される小型のガル翼グライダーです。

以前はオープンコクピットのグライダーはあまり好きでは無かったのですが、いろいろ飛ばしている間にDVD「エンドレスリフト」の中で真っ白なミニモアが神秘的に断崖を飛んでいるのを見て、「あ・・ええなぁ・・・」と思ってしまい、サーマル工房のグルナウベビーを製作し何とも言えない楽しいフライトを楽しんでいますが、ガル翼も良いなと思いつつ、サーマル工房の小さなミニモアは副座仕様でちょっと雰囲気違うな・・と思っていた所にアーリーバードが届きました。

一条卓也さんの「オリオン」でグライダーを初めて飛ばした(飛ばなかったけど)私には全木製機は懐かしいです。当時はマイクロのG45で乾電池でしたけど。(トルク1.8キロが強力サーボだった頃の話です)


キットは生地完成の状態で届きました。

主翼は3分割のままですが、既に治具を使ってプランク済みですのでねじれはありません。胴体も後部のトラス組みが面倒そうですがこれも加工済みです。
主翼は完成後の分割はできませんが、1.5Mクラスと大差ない大きさですので持ち運びに問題はありません。変に分割でカンザシまわりの余分な重量がかさむより有利です。
リンケージパーツなどは入っていませんが、最近のARF機の様に使えない(私は使いません)粗悪パーツが入っているより(付属のピアノ線も一度曲げて曲げ直すと簡単に折れるような物が多いので曲げだけでも心配です)良いでしょう。テトラなどで非常に良いパーツがありますのでそちらを好みで選択する方が良いです。
(こういう細かいパーツを置いてくれている模型店がどんどん減っているのが現実ですが、地元の某RC119はこういう利潤にならない小物をしっかり在庫してくれています)



組み立て
届いてからしばらく所用が重なってなかなか着手できなかったのですが、箱を開けて付属の説明書を読みながら生地を眺めていました。

説明書に従って主翼から作業に入ります。
まずプランク材表面を軽くサンディングします。プランク材のつなぎ目の段差やリブキャップとの段差を軽く修正します。エルロンは両引きのワイヤーリンケージが指定ですので、リンケージパイプ(内径2ミリのノイズレスパイプ)が予め埋め込んであります。このパイプがプランク材の表面に出てくる所もペーパーをかけて平面に仕上げておきます。

主翼上面のリンケージパイプはプランク材の裏に隠れていますが、下面のパイプと角度や位置はほぼ同じなので、虫ピンで上面プランク材を刺してつつきながらプランク材の裏のパイプの入り口を探します。(少し斜め下に入ります)
位置がわかったらその虫ピン穴をガイドに細い丸ヤスリで穴を拡大していきます。リンケージワイヤーの出口はメインスパーより前ですので、ワイヤーは非常に浅い角度で出るようになるはずですので、できるだけ緩やかな角度に出口の穴を加工します。
穴がだいたい成形できたら、出口付近に低粘度瞬間を少しだけ染みこませ、完全に硬化したら再びやすりでなだらかにしておきます。
ここは内翼と外翼の接合後マイクログラス補強で覆われてしまいますが、補強後再び同じように穴の回りを加工します。


後縁材の接着
内翼の後縁材取り付け部分を翼下面を基準にしてしっかりと90度となり、接着面が平面となるようにサンディングします。
研磨にはキットにおまけでサンドペーパーホルダーが入っていますが、私はアルミのアングル材を使ってこのようなものを使っています。

アングル材の片面に粘着ロールのサンドペーパーの#100か#180を貼り(直角側の角で合わせます)余分な所をカットします。非常に便利です。
小さな面で研磨してもプロで無ければ平面は出ませんが、目の細かい#320や#400ではなく#100位で無理な力を入れないで研磨する方が正確に仕上がります。(仕上げでは#320などを使います)

後縁材接着面の仕上げが済んだら、翼下面の平面を基準に後縁材を接着します。私は高粘度の瞬間を使いました。(すぐには着かないので多少修正できる)後縁材の中央側は翼の上反角に合わせて成形しておきます。

後縁材は内翼後縁より少し厚みがありますので、この後上面のカーブに合わせて研磨していきます。
後縁材の端っこは昇降盤の達人の手によってほぼ1ミリに仕上げられていますので、後縁は1ミリのままで良いです。
(バルサ機でこれ以上薄くしても強度が落ちますし、シャーレ翼のレーサーではありませんのでそこまでは必要ありません。どうしても!という場合には後縁の端っこに低粘度瞬間を虫ピンの先でつつきながら浸透させていき、固めた後で0.5ミリくらいまで研いでいく事はできますが・・・ 飛ばすと大差無いです。飛行音がちょっと変わるかもしれません。OKのミントの様にフリーのハンドランチグライダーみたいなジャンルだと有効ですが、このクラスだと運搬で痛めない様に気を使う事の方が負担になります)

今回はこのような物を使って作業しました。

10ミリのバルサ板(木村バルサの様なものではなくて、日曜大工センターなどで安売りされている物で良いです。堅くてもかまいません)の端っこに1ミリのピアノ線を低粘度瞬間で貼ります。ピアノ線が曲がらない様に。
主翼側は無駄に削らない様にマスキングテープを貼っておきますが、注意して作業するならしなくてもかまいません。
この状態に主翼をセットし、主翼と後縁材の段差を削っていきます。後縁側は1ミリピアノ線がありますので、それより浮かない様に主翼を抑えて研磨していけば後縁は正確に揃います。
あるていど削れたらマスキングテープを剥がし、上面プランクのカーブから後縁の1ミリピアノ線まで円滑な面になるように研磨して仕上げます。

主翼接合部の修正
内翼と外翼は下面を基準に接合面を垂直に研磨し修正します。ここが正確にできないと接合材をはさんで接着したとき左右でずれが生じます。
接着面の研磨は、底面プランク材を基準に上記のアルミアングルに貼り付けたサンドペーパーで削っていきます。研磨面ではなく、アングルの下側に力を入れて、無理矢理押しつけないように研磨していきます。(ここで無理な力を入れて削ると削られる側の弱い所が沈んでしまい平面になりません。力は適当に)
内翼と外翼の研磨が在る程度できたら接合材を挟まないまま合わせてみます。両側がきれいに90度に仕上がっていれば、内翼と外翼の底面は真っ直ぐ揃うはずです。
揃うまで丁寧に研磨修正します。ここはリブを信じるのではなく(高精度には組まれていますが)削って合わせる所です。

前縁および翼端の成型
前縁をバルサかんなとサンドペーパーで丸く仕上げます。ここもペーパーは大きめの平面に接着した物を使います。(小さな物を使うと正確に仕上がりません)翼端の曲面は板に貼ったペーパーで仕上げたあと、3M等から発売されている研磨スポンジ(木工用もあります)を使うとなだらかな曲面に仕上がります。

主翼接合
接合材は2種類キットに付属しており、外翼の上反角が選択できます。安定指向の上反角がやや付く形式と、外翼が上反角0度(翼下面で)となり運動性が有利になるものがあります。私は0度の方で組みましたが、平地のサーマルで飛ばす場合は上反角あったほうがラダーを使った旋回が効率的になるかもしれません。

外翼の上反角が小さくなる(0度)方の接合材だと、場合によっては下反角に見えるケースもあるようです。この場合も自律安定を著しく損なう様な事はありません。
製作者の好みで選択すればよいと思います。

接合材は最初に内翼に接着します。(どっちでもいいですけど)高粘度瞬間(OKのETやセメダインのゼリー状など)でも実際の接着強度は国産の5分間エポキシと大差はありませんが(接着面にしっかり浸透していない場合は、まだ瞬間の方がまし)、衝撃を受けた場合はエポキシの方が粘りそうです。いずれにせよ接着後マイクログラス補強をしますのでどちらでもいいのかもしれません。
エポキシは米国製の物が圧倒的に高性能です。これは生産段階で使える物質が異なるためです。Z−POXYなどが最近は模型店で入手できますので、見かけたら一度使ってみると良いと思います。エポキシは冬などの寒い時期は反応が悪いので流動性が維持できる程度まで加熱したほうが無難です。(夏場は問題ありません)
接着剤は片面にたっぷりと・・ではなく、両面にしっかりと塗布し染みこませます。吸い込みの良い材料では片面に塗布しても貼り合わせたあとでどんどん吸い込まれてしまう事がたまにあります。両面にしっかりとすり込んで余分な接着剤は落とします。この後貼り合わせます。
こうすることで貼り合わせる面の間に残る樹脂が多すぎて正確に貼り合わせられないという事が避けられ、なおかつ高い密着性が維持できます。
(片面だけだーっと塗ってはみ出たのを拭き取ってもいいですけど・・・ケースバイケース)

接合材を内翼にしっかりと接着し、虫ピンとマスキングテープで仮固定して硬化を待ちます。硬化したら虫ピン(エポキシ着いてますから指では抜けません。ペンチで少しひねって抜きます)を抜き、テープを剥がして主翼下面をサンディング修正して、今日はここまで。

主翼接合部補強
キットの指示の通り、内翼と外翼の接合部分をマイクログラス補強致します。カンザシを使ってちゃんと面が出た状態で接着すればグラス加工は不要とも思えますが、面接着だけなのでグラス巻いた方が無難です。
普通のマイクログラス(あまり目の粗くないもの)を20ミリ幅程度にカットし(折り目の90度でカットしましたが、45度でカットすると強度が上がるかもしれません)ます。円形ブレードのロータリーカッターを使うと綺麗に切れます。60センチとか45センチの金属製定規は作業のお友達です。
主翼の接合部分から両側15ミリ程度の間をあけてマスキングテープを巻きます。(接着剤はみ出し防止)30分エポキシを適量混合したら、接合部分に幅20ミリ程度でエポキシ接着剤を塗り込んで行きます。
一通り塗り終えたら、そーっとマイクログラスを置き不要なテレホンカードの様なプラスチック板で軽くしごいてグラスを馴染ませていきます。その上からポリラップ(サランラップはエポキシと接着してしまうので不可。怪しい場合は事前にテストしてエポキシがきれいにはがれるラップをつかいます)で覆い、指やプラ板でしごいて接着剤を伸ばしながら気泡を押し出していきます。
今回はさらにこの上からもう一度花屋さんのラッピングフィルムで抑えプラ板でしごきました。(ビニール袋でもいいかもしれません)
ラップやビニールで押さえてしごく場合は、接着剤の量を多く使いすぎない事がポイントです。樹脂量が増えすぎるとマイクログラスが樹脂の中で浮いてしまい生地に密着しません。そうなると見た目はつるつるで綺麗ですが、樹脂ばかりが多く強度が出ないものになってしまいます。
接着剤が硬化したらラップフィルムを剥がして、ペーパーがけして仕上げ。ペーパーをあまり元気よくかけるとマイクログラスまで削れて水の泡になります。

面倒な場合は、QRPなどのマイクログラステープをポリラップを巻いた指先で高粘度瞬間を垂らして染みこませて伸ばしながら貼っていけば似たような事にはなります。

もちろんポリエステル樹脂でもかまいませんが、この場合は塗膜の厚さが薄いため、硬化剤をちょっと多めに入れてやるのがポイントになります。

中1日置いて(置かなくてもいいですが)エポキシがしっかり硬化したらサンディングしていきます。あまり削るとクロスまで削れてしまいすべてが水の泡になりますので慎重に削ります。私はポリラップで上から押さえたのが少し不備があり、しわが出てしまいましたが、これもここで修正。あまり削れませんのでそこそこでやめておきます。

サンディングが終わったら、リンケージワイヤーの出口の穴を虫ピンでつついて開け、細丸やすりで成形します。

エルロン材加工
エルロン材は既に前縁側が加工されたものが入っています。主翼の付け根側に角度を合わせエルロンを加工します。エルロン内側端と翼の間に1.5ミリ程度のバルサをはさみ、翼端側のカットラインを翼端から円滑に流れるように鉛筆で記しておき、それに合わせてカットします。だいたいの形になったらバルサ板を挟んだ状態で、翼端ブロックから円滑なラインになるようにサンディングしていきます。外径が合ったら、翼端下面を翼端ブロックの形に合わせて削り上げていきます。上面も合わせます。後縁は説明書にあるように角を落とす程度で翼端の形状に合います。

垂直尾翼・ラダー加工
垂直尾翼とラダーは4ミリバルサで構成されています。私の手元に届いたものは少し柔らかめのバルサでしたので少しだけ補強作業をしました。
素材を手でひねっていると接着がやや不十分な箇所があり、低粘度瞬間で補足してやりました。
強度的には標準で問題無いですが、私の機体の場合はラダーの材料が少し弱いようでした。(たまたま柔らかい材料だったため)

曲げが少し弱い様に感じましたので、一部木目をクロスさせてやります。ラダー中央部とラダー下端を加工します。(オラカバの様な強度のあるフィルムを貼った場合はそのままで良かったようです)

カットした面はアルミアングルに貼ったサンドペーパーで90度をしっかり出しておきます。面修正をしたら高粘度瞬間で貼り合わせていきます。補強材は4ミリより少し厚い物を使い、後で研磨します。

定盤の上で研磨して仕上げるとこうなります。垂直尾翼は根本からトラスの1段目まで2ミリのカーボンロッドを穴を開けて瞬間で固定します。カーボンロッドは胴体の下面まで貫通させます。(垂直尾翼の接着が少し楽になります)トラス補強の接合面の隙間は瞬間で補強しました。

オラカバなどのフィルムを貼ってしまえば多少強度があがりますから、標準でも良いとは思います。ラダーで行ったような加工を繰り返し、余分な所をカットしていけば骨組みのラダーにもできますが、元が素性の良いバルサですので、このままでも良いでしょう。骨組みの方が飛行中に透けたとき綺麗ですけど。


バルサ板にセンターラインを引いていきます。鉛筆やシャープペンシルをこういう形に持って親指と人差し指で線を引くバルサと一緒に持ってラインを引きます。
持ち方は流儀?がいろいろありますのでご自由に。2Bくらいの芯を入れておくと軽くなぞってもラインがくっきりです。
この線をガイドにラダー両面をわずかにテーパーに削っていきます。必ず定盤(かまぼこ板くらいでもいいですけど)に載せて板に貼ったサンドペーパーで削ります。
ラダーの後縁は厚さ2ミリ程度までに残してもいいでしょう。極端にとがらせる必要は無いと思います。


動翼のVカットはこのように加工すると真っ直ぐになります。いや・・私はバルサかんなだけでできるよ!という人はそれで良いであります。
削る材料より長い板の上に載せて、アングルに貼ったサンドペーパーで削ります。アングルを右手の親指と人差し指で持って薬指や小指を定盤とアングルの間に挟んで加減すればVの角度がそろいます。切れの悪いバルサかんなで食い込むより、#100や180のサンドペーパーで削る方が簡単です。
当たり前ですが削る側はしっかり保持し、ペーパーの方を動かします。

水平尾翼・エレベーター
水平尾翼も垂直と同様に接着が怪しい部分は低粘度瞬間で補足しておきます。4ミリ厚のトラス組みですので強度は問題無いと思いましたが、これも材料がやや柔らかめの物であったので少しばかり補強しました。(しなくても問題は無いと思います)(補強した・・と書くと強度が足らないと思われる人が多いですが、通常の飛行に最小限必要な強度以上は私は不要と考えています。ただ、スロープグライダーの場合平坦な水平な場所に降りるわけではないので、あくまでも少し足してやるだけです)

画像だとよくわかりませんが、後縁材の前から2ミリくらいの位置にバルサ鋸で切れ目をいれてあります。補強材はK&Sのカーボンシートの幅3ミリをつかいました。2番目のリブまでの間隔で十分と思われます。
バルサ鋸の切れ目を入れる前に切れ目の両端には1ミリのドリルで穴を開けています。鋸で切れ目を入れたらサンドペーパーを挟んで切れ目の幅を調整します。
両面をサンディングしたカーボンシートを切れ目に押し込んだら、定盤の上で押さえながら低粘度瞬間を切れ目に染みこませていきます。
瞬間が硬化したら水平尾翼の上下面を研磨し、前縁と翼端にアールをつけたら水平尾翼は完成。
びっくりするほど強度は上がりませんが、根本からおれてしまう事の予防にはなったかもしれません。

生地完成の機体でここまでしなくてもいいのかもしれませんが、変な材料を使われた機体で粗悪なフィルムを貼られたARF機だとこういう加工が後でできません。(必要な場合はやってますけど)飛行にけっこう影響してくる部分なので、私にはこういう構成の生地完成の方が嬉しいです。


エレベーターは平板のままで後縁を丸めたのでも飛行に問題は無いと思いますが、画像の様に前縁側に4ミリの金属丸棒、後縁側に2ミリのステンレス線を置いて大まかにカンナをかけたらペーパーで研磨し、少しテーパーに仕上げます。


これで水平尾翼は生地完成ですが、赤く囲んだ部分に2ミリバルサを追加しました。(木目は前後方向)根本の材料が横方向に木目がとられているので、片側だけにコントロールホーンを付けた場合、左右のエレベーターにねじれが出やすくなります。(オラカバなどの強度のあるフィルムを貼る場合には何も問題にはならないと思います)
少しだけエレベーターの動きが正確になります。

これで尾翼まわりはフィルム貼りに入れます。

胴体まわり

私の住んでいるところだと、いつでもスロープで良い風・・というわけにはいきませんので、平地でも少し遊べるよう曳航フックを追加します。サーマル専用機の様にはいきませんが、調整飛行などでもあると便利です。
重心位置(メインスパーを基準にします)から従来の標準位置とその前後の3カ所にポイントを設けます。市販の曳航フックを外から木ねじで止めれば済みますが、それでは芸が無いのでフックの基盤となる箇所に1.5ミリ航空ベニヤを底面と平面となるようリューターで溝を掘ってエポキシ接着剤で埋め込みます。
胴体内部にも厚めの木材を受けとして接着し(あまり大きなものになるとサーボ搭載で邪魔になります)ネジが効くような細工をし、機体の外からねじ込んで、根本のナットで固定する構造にする予定です。(グライダーの知人がしている方法です)
主翼強度に余裕のあるシャーレ構造の機体なら、もう少し前に頑丈なフックを付け、480クラス電動ダクトで使っているバンジーを使ってバシューン・・という事が1.6mクラスならできますが、これでそういう事はできませんので従来方式とします。


フックの受けは胴体内側へ3ミリベニヤを2枚重ねて胴体底部と平行になるよう少し斜めに成形しエポキシで接着します。フック位置は2カ所としました。3ミリの爪付きナットを2個ここに埋め込んで受けとする予定です。固定式でフック1カ所ならば、2ミリのピアノ線を使ってエポキシで固めてしまえばこのクラスなら強度は問題ありません。

結果的にここは追加バラストの固定用に使えました。


キャノピー部ハッチの前側に2ミリのカーボンロッドを埋め込み固定ピンとします。後は胴体開口部の幅に合わせたバルサ板を中心合わせて接着しています。
ハッチを片手で押さえながらカンナとペーパーで成形していきます。胴体は四角ですが、角に大きな補強材が入っていますし、底面左右はヒノキが使われていますからヒノキが出てくるまで削ってもかまいません。後部の四角断面と円滑に継がるように根気よくサンディングします。バルサ粉を掃除機で吸わせながら格闘します。
主翼取り付け位置から一つ目のトラス部まで、説明書の指示通りカーボンロービングを接着します。丸いまま接着するのではなく、押しつけてロービングが広がるようしごきながら(ラップ指に巻いて余分なカーボンは端から掃除機で吸い取り除去します)高粘度瞬間を垂らしてはラップを巻いた指で伸ばしていきます。広がりが少ないとフィルム貼った時に面が乱れます。

曳航フックの台座が接着できたら、取り付け穴を3.8ミリのドリルで通しOSの爪付き3ミリナットをエポキシで接着します。胴体底から3ミリのキャップボルトを大きめのワッシャを入れて通し、ナットに通して締めていけばナットが食い込んで落ち着きます。硬化したらボルトを抜いて穴を4ミリのドリルでさらい外径4ミリ内径3ミリの真鍮パイプの短いものを底側から面になるまで埋め込んで低粘度瞬間浸透で接着。

胴体もだいぶ形に(生地完なので最初から形になってますけど)なってきたので、主翼のダウエルを取り付けます。セットにはナイロンの角棒が入っており、これをタッピングビスで予め主翼前縁中央部に作られている台座に固定します。ダウエルの受けは角穴を修正し、センターをしっかり確認して主翼を仮止めした状態で位置決めをし、エポキシで接着です。このあたり正確に作られた生地完成機なので非常にきっちり仕上がります。
そろそろ形が見えてきました。主翼を胴体に載せて水平尾翼の傾きをチェックし修正しておきます。
主翼後部の固定ビスの台座をバルサの三角材や付属のベニヤで作っていきます。


主翼が固定できたらバルクヘッドを接着します。ポリラップをはさんだ状態で主翼を取り付け、バルクヘッドを主翼中央部の上反角に合わせて削り瞬間で仮固定します。紙一枚位をはさんでバルクヘッドと胴枠の間に少しだけクリアランスを確保しておきます。プランク材は綺麗に丸められた良質な材料が入っていますので、センターを合わせて少しずつカッターとペーパーで削って合わせて接着します。
ハッチはそのままの角度だとコクピットが少し狭そうに思えたので、少し削って角度を付けています。単座の小型のグライダーだと想像した場合、これで首から上がのぞくかのそかないか位の高さになります。コクピットはハッチを抜いてしまって底板を別に付ける方が人形の収まりが良いかもしれません。

日曜大工店で買っておいたバルサブロックを貼り合わせて、キャノピー用の木型を作ります。いろいろ考えましたが、結局グルナウベビー風の風防。
0.8のポリカーボネード板が手に入りましたが、0.5ミリの透明塩ビ板を例によってヒートガンで成形します。ペットボトル素材の方が割れには強そうですね。

操縦席回りの加工が済んだら、いよいよフィルム貼りです。



この後、フィルム貼りを行い、動翼のコントロールホーンを作り、主翼の仮固定を行いそれを基準に水平尾翼の取り付けを調整し接着し垂直尾翼も取り付けます。
尾翼が接着できたら動翼にコントロールホーンを接着し(リンケージワイヤーの取り回しを考えて角度と位置を合わせます)、OKのシートヒンジで動翼を取り付けます。
エルロンは予めヒンジの位置に補強材が入っていますのでそれを目安にします。

サーボは私は主翼にOKの1809を2個使いました。スポイラーでエルロン跳ね上げに極端な大舵角の必要な機体ではないので、サーボ側のホーンは必要以上に大きくせず(動翼側は少し大きめにし動作精度を上げます)PEラインでリンケージしました。
ラダー・エレベーターは手持ちに中型サーボが無かったため(ヘリ用のデジタルばかり)定番の双葉9601を使いました。9001や3001などの汎用中型サーボの方が(型番間違ってたらごめんなさい)構造としてニュートラル精度は値段の割に高いので(ポテンションメーターの大きいものが使える)量販店のばら売りがあれば、そちらをつかう方が安上がりに同じ性能が出せます。

エルロンは中央リブを挟んでサーボが2つ並ぶ様にベッドを作ってやります。ラダー・エレベーターはベニヤのしっかりした構造材がありますので横に枕を渡すだけで問題ないでしょう。ラダー・エレベーターサーボは極力前に積む方が重心合わせが楽ですが、私はメインスパーから主翼前縁当たりにスペースを空けてバラストが必要な時にそちらへ(翼面荷重増大と重心位置やや前)積む様に(といいますか、トーイングフックのマウントに埋め込んだナットに内側からウェイトをネジ止めです)しました。

リンケージにはマイクロ電動機やDLG機でいつも使っているPEラインをつかいましたが、釣り糸に他にも適した物はあると思います。結び目が瞬間併用でないと完全に固定できない、色が変・・などPEラインのデメリットもあります。伸縮性の少ない物で少し太めの物が扱いやすいかもしれません。
動翼側にはアジャスターをという説明書の指示に従い、テトラの0.9ミリ金属ピンのアジャスターを各動翼に使っています。ネジ部は同じくテトラの1ミリピアノ線などを半田付けして使うアジャストチップ?のパイプ部を角を立てないようにペンチで潰し、1ミリのドリルで穴をあけ、穴の縁を極細の丸ヤスリで成型しここにコントロールラインを結んでいます。
IMの汎用ワイヤーリンケージセットのエンド部だけの別売りを使う方法もありますが、アーリーバードにはちょっと大げさかもしれません。
道具箱に余っているねじ切りロッドの根本を金床でたたきつぶして穴空けをすることもできますが、あまりお勧めはしません。
アジャストチップは汎用の1.8から2ミリ用の物でもかまいません。MPJETのパーツで真鍮製の物もありますからこれを加工するのも雰囲気出ます。
こんな感じになります。
アジャスターを機内のサーボ側にした方がスケール機では雰囲気出ますが、飛ばすにはこちらの方が良いです。
アジャスターを使わないのなら、ハンドランチ機で良くある(私もしています)ラインに何度か絡めて瞬間で止める方法でよいでしょう。これが緩むような力は加わりません。

ラダーとエレベーターのワイヤーは主翼後縁あたりの胴体内部に丸棒(カーボンでも竹でも)を横に渡し、ワイヤーのテンショナーとします。弦楽器の枕と同じ役目です。
ラダーとエレベーターのサーボの取り付けに高さの違いを作っておかないと、ワイヤーの取り回しがややこしくなりますので、3ミリくらいどちらかを高くしておけばホーンの干渉も防げます。

受信機アンテナは木製機ですので、胴体内部を通して尾翼下から外に出しています。受信機側のアンテナ線を短く切った燃料パイプに一度ループで通し胴枠の適当な箇所に2ミリの穴を開けそこにアンテナ線を通してから胴体後部へ引っ張ります。こうすると万が一アンテナ線を無理に引っ張っても受信機へのダメージが多少緩和されます。
結んでしまうのはトラブルの元でしかありません。糸ではありません。
さらに念をいれるなら、アンテナ先端の切断面に瞬間接着剤をたらし防水加工します。最近のPCM受信機はたいてい対策してありますが、初期のPCM受信機には地表からの静電気から守る回路が省略されたものもあり、アンテナの先端が地面に接触し金属線が触れるとノイズを拾い受信機が破損することがありました。
また、雨天や水たまりなどで、知らない間にアンテナ線先端から水を吸い(毛細管現象で意外に吸います)線が腐食する事もあります。

コクピットのハッチはベルクロ止めとしました。ネジ止めでも良いでしょう。パチッとしまるラッチがあると格好良いですが、私はスイッチもメカ室内部に付けましたのでベルクロが簡単です。

スキッドはグルナウベビーに似たような感じの物を1ミリ航空ベニヤに1ミリピアノ線を補強として両脇に接着したものを作りました。
草地のスロープなら無くてもいいかもしれません。尾そりは2ミリの航空ベニヤの三角で済ませました。

受信機電源は、他の無動力グライダーで使っている単4型ニッケル水素4本パック(ものによって750mahから950mah)を使いました。GPや三洋やインテレクトでいろいろ入手できます。最近はかなり高性能で安価になりました。

この組み合わせで重心位置はメインスパーより気持ち後。15グラムほどウェイトを載せ標準位置です。
パイロット無しの状態で全備重量640グラムにて完成。

仕上がるとなかなか美しいシルエットです。

という事で、完成\(^◇^)/

軽量紙粘土のパイロット。ヘルメットから作っていくとどうしても同じ様なでか頭のひげ面おやじができあがります。ジェットパイロットだとゴーグルとマスクでごまかせますがなかなか面白いけど苦手な部分です。今回はサングラスのつるの部分も塩ビ板を折り曲げで済ませました。針金でフレーム作って塩ビのレンズよりもかっこよいです。
パイロットは一作目は頭がでかすぎて入らず、二作目は座高が高くてちょっと頭出てますが、これより下げると肩から下が無くなってしまうのでこれで良いのであります。
ちょっと現代風アレンジのある単座の全木製ガル翼グライダーが実際にあったらこんな感じ・・でありましょう。
楽しい雰囲気の機体になりました。関係諸師の方々、ありがとうございます。



完成後、熊本へ行く機会があり大観峰に寄って、有川さん羽山さんお二人の立ち会いのもとでテストフライトを行う事ができました。

非常に良い雰囲気で美しく飛びます。操舵感に曖昧な部分はなく、失速癖も良好です。ガル翼の特性か旋回時のサイドスリップが少なく、良いシルエットで舞ってくれます。
当日は3m程度の風でしたので着陸で難儀することもなく、スポイラー多用することもなく無事に回収できました。

ポイントを抑えてやれば非常に素直に美しく舞ってくれる機体に感じました。浮きの良い翼型の木製機も楽しいですね。



Koubou Sirokuma