京商 オーラムミニックススポーツ





コスモテックからチェコのモデルモータース社からアクトロと同じ形式のマグネットが外側で回るブラシレスモーターが入手できました。
カタログデータでは10セルで最大2.5キロの機体まで使えるとあり、10セルならば4サイクル40クラスか?というのが目安でした。
今回はかなり早い時期に入手できていたのですが、ファンフライに浮気し、半完成機に載せるならオーラムミニックススポーツあたりがよいのではと言いながら、やっと今頃になって完成しました。


電動化に際して、加工箇所は以下2点だけです。

モーターマウントは3ミリベニヤから切り出し、モーターと接触する面だけ1ミリのカーボン板を合わせてあります。この機体でマウントの長さは70ミリ(モーター位置では66ミリ)にしています。下側は開放でカウルから入った外気が上に抜ける(はず)構造です。
少し重くなりましたが、パワーを考えるとあまり簡単なものでは心配です。一応ウレタン仕上げ。
プロペラアダプターはアルミ丸棒から作りましたが、グラウプナーなどから5ミリの高精度なものが出ていますので、それを使えば何も問題ありません。


バッテリーホルダーは3ミリベニヤで作りました。2400の8セルはかなりかさばるのですが、この機体の場合胴体スペースには十分な余裕があり楽に積めます。
受信機は本来エンコンサーボが載る位置へ移動。
バッテリーはマジックテープで位置決めをし、伸縮性のマジックテープで巻いて固定します。
作例では2pのコネクターを使っていますが、ヨーロッパ式の3.5ミリのコネクターを使う方が良いでしょう。

電動化に際しては、これだけの加工です。 機首横へアンプとバッテリーの冷却用インテークと、胴体後部で排気ダクトを追加しています。


 初期の仕様 (純正脚)
当初この状態でテストしていたのですが、10*6のペラを8セルで使うと、思ったより引きはありませんでした。25A程度での使用を想定していたのですが、この状態ではダクト機並の滑走で離陸し、かなりの機首上げのままよたよたと飛び回るのが精一杯でした。
何度か縦安定に影響が無い範囲で重心位置を後退させ、やっとスプリットSとロールが出来る程度でした。
飛行時間は異様に長いのですが、もう少し引っ張ってくれないと話になりません、かといってペラは10インチ以上を使うと接地する可能性が上がります。
半完成機のお手軽加工による電動化ですから、こんな物かな・・と思ってました。

やはり10セルにしないといけないかな・・と思いつつ、一時テスト中止。8セルバッテリーでEPコンセプトを飛ばしたりしていたのです。
10セルですと、現在私が入手可能なのはニッケル水素3000 ニッカド2400 ニッケル水素2100 ニッカド1250 といったセルですが、2400でも重量が増えすぎ、かといってこのクラスへニッケル水素を使うのもちょっと面倒かなと思っていました。


ところが・・・・
RCエアワールドが村上さんが編集長(何故か私はライダースクラブ時代のモトグッチのレポートが鮮明に思い浮かぶのですが)になられた号の巻頭に、全く同じ仕様で電動化された記事がでていました。
10セルならば飛ぶことはわかっているのですが、8セルの2400でも穏やかに長時間飛んでいるようです。
データを拝見すると、電流値は30A以上で11インチのペラを使っていらっしゃいました。
やはり 飛ぶ!とわかった以上 あきらめるわけにはいきません。

そこで
 (一番上の画像と同じものです)
主脚を28ミリ(根拠はありませんが、これくらいの感じ)に伸ばした物を3ミリピアノ線で製作しました。これならば11インチのペラも使えます。
RCエアワールドの記事も なんとなく足が長いような気もしなくはないのですが、舗装路での離着陸なら純正脚でも問題ないでしょう。
尾輪が上がっている分、滑走時の姿勢も機首上げの角度が少なく、離陸距離の異様な長さにつながっているのかもしれません。


電動機の集いのお話を拝見していますと、セダクションWSにこのモーターを使い、12セルで小野さんがトルクロールを演じたとか。
10セル以上での使用の方が良いような気もします。
ギヤリダクション方式なら、セル数を増やし回転を稼いだ分ピニオンの歯数を落とせば電流値は下がるのですが、ダイレクトで使う場合はこのあたりが微妙に違う部分を持っている様です。

私が普段飛ばしているオーラム(ミニックスアクロへ26サーパス)は非常に非力で、現有のパークフライヤー以外の電動機と比べても一番非力です。
当初、26のオーラムと同じ程度のフライトが電動でできればと思っていましたので11インチでじっくりテストしてみようと思います。
マウント部分の細工がうまくいけば、ちょっと前の加藤の20クラスのスタント機の電動化もおもしろいかもしれません。
最初から電動で作るなら、キットを買って軽量化加工しながら作る方がいいかもしれませんね。


体力測定
電流値のみ測定してみました。
モーター:AXI2820/10
ペラ:11*6 APC
バッテリー:2400mah 8cell

静止状態での電流値 25〜24A (バッテリー新品に近い状態)

モーターのプロペラハブに精度の問題があり、作り直しています。5ミリのエンドミル加工というような精密な事は出来ませんので、ドリルで開けた5ミリ穴に仮のシャフトをイモネジで固定し、それをチャックにくわえさせてセンターを出しました。一品物なら可能な加工です。
これで振動はかなり減っています。

モデルモータースのテストデータが8セルで26.9A 10セルで35.8Aとなっていました。ギヤダウン方式で同じパワーを出すならセル数が多い方が電流値は下がるのですが、ダイレクトドライブの場合はプロペラの負荷も考えないといけません。
10*6ペラでの回転とあまり変わらないような気もします。APCの12*6というのも選択肢かもしれませんが、ダイヤが大きくなれば地面との接触の可能性も増えてきます。
11*7か11*8というのも良いのかもしれません。

異様にトルクがあり回転が上がりにくいという特性を持っている様です。

測定その2
モーター・バッテリーは同一条件
ペラ:11*7(APC) > 30A@7500-7400rpm
ペラ:11*8(APC) > 30A@7000rpm
現状の8セルでは30A程度までしか流れない様です。

フライトテスト続編
脚を伸ばし11インチペラ対応とし、ハブを精度の高い物に作り替え、11*7APCでのテストを行いました。
短く刈られた草地からの離陸でしたが、動き始めから10インチと比較にならない引きがあり、26サーパス搭載機と変わらない滑走距離で離陸。
前回テスト時の重さはなく、重心位置は同じですが頭上げを維持する癖もなく普通に飛んでくれました。
通常の周回飛行では何らパワー不足は感じません。水平飛行ならば60%程度の出力で可能です。
上昇力は、水平巡航からの引き起こしでこのサイズなりのループが一回行えます。特にパワフルと言うわけではありませんが、引っ張り回す飛ばし方をしないのならこれくらいのパワーの機体を手なずけるのも面白いでしょう。
元々が成家さんの設計されたスポーツスタント機ですので、動きは大変素直です。10インチでのテストで鈍感だったロール軸の運動性も推力の向上により機敏に正確に決まります(腕次第ですが・・ 私は未熟)ナイフエッジも問題ありません。
縦物が弱いという点は26サーパス搭載機と比較してもかわらず、切れのいい飛びを楽しめます。

約5分のフライトで帰還。電池残量は完全放電まで1200mahほどありました。モーターの発熱は人肌程度。冷却が効いているのか負荷が軽いのかはわかりません。
静止テストでの11*8ペラのデータがあまり回転が上がっていないのですが、実際の飛行時には負荷も軽くなりますので、11*8の方がマッチングはより良いかもしれません。

音もなく(ほとんどしません)糸を引くように飛び、オイルで汚れずすぐに撤収できます。

フライトテスト10セル編
コスモエナジーから1700mahの10セルパックが入手できました。表記は1600mahになっている飛行機とヘリのイラストが描いてある青いセルです。
重量は2400の8セルより少し軽くなります。ペラは11*7でテストしました。
自宅充電で飛行場に出かけテストフライト。8セルでの離陸がなんだったんだろう?と思うくらい軽く力強く昇っていきます。
水平飛行の速度の伸びも十分、全速から垂直上昇で20メートル近く昇ります。(延々とはいきません)トップハットに十分な上昇力です。
正面からダウンで入る逆ループも問題なし、そこから連続して正ループに入る事はちょっと難しいのですが、パワフルなファンフライではないのでそれは良しとしましょう。
4分後半からややパワーダウンしたので回収。
20クラスのスタント機へノーマルマフラーの25FSRを搭載した様な感覚です。26サーパスよりパワフルです。
ナイフエッジも余裕がでてきました。
着陸後のモーターの発熱は、磁石の部分が指で触ってほのかに暖かい程度でした。問題ないでしょう。
静かで汚れないスポーツスタント機としては良い成果でした。 モーターマウントとバッテリーホルダーを付け加えただけにしては良く飛びます。
これをセダクション25もしくは加藤の20クラスのスタント機(もう在庫ないかも)をちょっと軽量化したものへ使えば、かなり面白いかもしれません。



2002/06/26

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