工房しろくま


グライダーの部屋



Alula DLG

受信機:シュルツェ アルファ440 4ch
サーボ:GWS PICO-STD*2
電源:160mahNi-Mh 4.8V


EPP製無尾翼DLG機です。前進翼の可愛らしい形で、QEFI誌にスロープで飛んでいる姿が掲載されていて目にとまりました。
その後この機体がとりさんのHPに出てきたり、ハンドランチ愛好家の方のHPにもちょこちょこ飛んでいたりして入手したくなりました。
QEFI誌に掲載されていたメーカーアドレスを見るとオンラインでの購入が可能なようで日本にもユーザーさんが大勢居ることがわかり購入。
機体が50ドルで航空小包便で送料も少しだけで済み、あっというまに届きました。

http://www.dream-flight.com/alula.html リヒターさんのページ



構造は大変にシンプルです。自作も可能と思われますが、無尾翼のミニグライダーでDLGとなると作例はいろいろありますが、なかなか簡単にはいかない様です。

キットの箱を開けると、EPPの主翼と胴体とスチレンペーパーの垂直安定板と補強用のカーボン材と小物が入ってます。

主翼は翼端を#100位のサンドペーパーでなだらかにし、翼の接合部を図面に指示のある上反角にぴったりなるように大きな板に貼ったペーパーで角度を合わせます。(どうもこの上反角がDLGの肝要のようでございます)
主翼には1ミリのカーボンロッドを上下面に補強として入れますが、溝は既に加工済みですのでカーボンロッドを押し込んだら低粘度瞬間をたらたらと染みこませて行けば固定完了です。

受信機のアンテナを右翼(右利きの人の場合)裏面にカッターで切れ目をいれて埋め込んで行きます。受信機アンテナは受信機から5センチあたりで切り、翼の付け根に10センチ位余らせた状態で埋め込みます。(これが短いと後で半田付けの時に泣きます)

説明書ではこの後に左右の翼を別々にテープ貼りする様になっていますが、あまのじゃくな私は、ここで左右翼を接合し、補強カーボン板を埋め込みました。(左右翼の接着はスコッチ、カーボンは低粘度瞬間)
翼が継がったら胴体を仮止めし、サーボの穴をマーキングしておきます。
主翼のカバリングは、私は今回京商のライトコートを使いました。プチトレーナーの窓やラインに使われているフィルムで、EPPとの相性はかなり良い様です。(普通の木製機には曲面がちょっとつらい)
3Mのスプレーを吹いてパッキングテープとい方法が一般的ですが、他の機体でオラライトやトイファクトリーのフェザーコートで問題なく貼れてましたので、今回はライトコートです。(オラライトと比べて特に良く貼れるというものでは無かったですけど)

エレボンはフィルム貼りをしてヒンジテープで貼りましたが、このライトコートはヒンジテープの付きが私の場合いまいちで、テープ状にカットしたフィルムをアイロンで貼ってヒンジにしました。 エレボンはフィルム貼りの前に仮組みして尻尾に当たらない様に成型しておきます。

胴体はカッターとサンドペーパーで体裁良く仕上げてフィルム貼りします。主翼に仮組みし胴体との接合面をマーキングし、接着面のフィルムを剥がしておきます。

サーボ二個を両面テープで貼り合わせて、主翼のサーボ位置へ穴を開けて(少し小さめ)押し込みます。

胴体と主翼はスコッチのプラスチック用で貼りました。(高粘度瞬間やホットボンドでも良いようです)

尾翼は両側からカーボンシートを貼り、シートの上からヒンジテープ等を貼って補強します。下側(地面に接触する側)をテープで保護します。

尾翼は段ボールの様なものへ差し込みますが、この段ボール?はスコッチではなく瞬間で主翼に貼った方が無難です(私はテストフライト前に剥がれてしまい、知人に瞬間借してもらって修理しました) 主翼中心線と真っ直ぐなるように気を付けます。

リンケージはキット付属の物を使っても良いですが、私は手持ちのテトラの1ミリピアノ線のロッドアジャスターとテトラの小型機用ホーンを使いました。リンケージロッドを樹脂パイプに通し、サーボホーンとコントロールホーンを結ぶ線で胴体の接触部に切り込みを入れ、切れ目の奥に3ミリドリルを通して少し拡大し、ロッドの長さを決めてクランクに曲げたらガイドの樹脂パイプをこの切れ込みに埋め込みます。

リンケージが決まったらサーボ穴とガイドパイプの切れ目が隠れる様に上からフィルムで覆います。

受信機はシュルツェのアルファ440かBergかハイペリオンの4chが無難でしょう。これより大きい場合は胴体のメカルームを拡大します。

バッテリーはヨシオカのワンハンドレッドに使う160mahのニッケル水素を使いました。私の機体ではこれで15グラムほどのバラストが必要でしたので300mah位のニッケル水素を搭載できる様にパックし直した物を使っても良いかもしれません。

受信機とバッテリーの間にコネクターを入れ、ここだけ機首上面に出して後はEPPの切れっ端を押し込んで固定します。

後は適当にカラーリングして完成。EPPでくちばし付けてやるのは面白そうです。

重心位置は主翼の胴体取り付け部で前縁から25ミリとなっています。この位置に合わせて私の機体で130グラムで仕上がりました。



テストフライト

前進翼の無尾翼という事もあり、エレボンはアップ側をダウンより2倍近く多く動くように差動を付けておきました。(好みで調整)
舵角は飛ばしてみてから・・です。

河川敷はちょっと風が強いようでしたが、風に真っ直ぐ押し出し、エレボンのニュートラル補正。エレベーター舵角はちょっと大きすぎた様です。
指定重心ではちょっとピッチ方向が不安定な感じもしますが、エレベーターも合って来たので翼端を持って風下に向いて(と言うより身体の左が風上になるように)(右利きの場合です)腕が水平より上がりすぎない様に半周楽に回してそのままリリースすると機体は何事も無いように真っ直ぐ上がります。
エレベータートリムが合うまでいきなりループしたりひたすら水平に加速していって、ちょっとアップ引くと急上昇したりしましたけど。

トリムが合ってくると、半周回ってリリースしただけで真っ直ぐ上昇し速度が落ちてくるとダウン当てなくてもそのまま滑空に入ります。
嘘みたい・・ (ノ ̄∞ ̄)ノ

半周回ってポイなのにスナッピーの快心の一投より上がります。巻き込みもなくラディナDLGで私が投げる程度(情けないくらい上がりませんが)近くまで上がって行きます。
ランチの速度が上がるとエレボンがフラッター起こすくらいになりますが、ポイ!で信じられないくらい真っ直ぐ上がって行きます。

人差し指と中指を主翼裏面に当て、親指で上から押さえてポイ!です。持つのはエレボン近くや補強スパー付近などいろいろやってみましたが、ランチには何故か大差無く、持ちやすいスパー付近で良かった様です。(手首は柔らかく持ちます)

おもろい (⌒∞⌒)

くるん ポイ で バシューン です。

上昇風はそれほどありませんでしたが、運動性はかなり良いですし、無尾翼の失速癖の良さもあって狭い場所でもくりくり回れます。
あまり無理するとEPPの無尾翼前進翼の癖?はちょっとでますが、エレベーターが少し敏感な事をのぞけば、楽しく遊べます。
スナッピーだと風上に戻って来れないような風でしたが、問題無く飛んでます。

スロープで遊ぶにはもう少し重心前の方が良さそうですが、前に出すとエレボンのアップが少し増え、滑空でトリム合わせるとランチ時に少しダウンミキシングが必要になるかもしれません。ちょっと敏感ですが、ランチは楽です。

風の穏やかな時にセッティングを詰めていく必要がありますが、この飛びは相当に楽しそうです。
鳶が堤防のリッジでかろうじて浮いてるような風でけっこう汗かきました。


ランチで変な力が入ると垂直尾翼が傾いたりしますが、差し込んだだけでフライトには何も問題ありませんでした。

これの兄弟機のヴァーゼルも面白そうですね。狭い場所でポイポイして遊ぶには無尾翼DLGはけっこう楽しそうです。

メーカーHPを再確認すると、エレボンを2分割し、翼端をエルロン、内側をエレベーターとした3サーボ仕様がでていました。この方が操縦性素直かもしれないですね。

2006/06/11


予備キットも購入しましたが、未だ元気に飛んでいます。
スロープで飛ばすには重心位置の煮詰めがけっこう必要ですが、着陸場所の荒れたところでも気にせずフライトできるのは利点です。

新規製作ならエレベーター1サーボ、エルロン2サーボの方が前進翼で無尾翼という機体の癖は出にくいと思いますが、巻き込む寸前を維持してやるとかなり小さな旋回が可能です。失速癖も悪くないため、平地でのサーマル遊びでも意外に小さなサーマルへ回り込めます。条件が良ければこの鳩みたいな小さなグライダーが点になるくらいまで上がります。
これは気持ち良いです。

ランチ時に私は人差し指を曲げて主翼の下に入れ、親指で上から押さえていますが、逆に親指を下側にし、あとの指を全部上から押さえて敬礼の様な形でランチされている方もいらっしゃいます。いろいろ方法はあるようです。

2008年9月現在、製造元は模型グライダーの生産を中断されているようです。近日に復帰するとありますので気長に待ちましょう。
アメリカに通販で頼んで送料込みで6000円ちょっとの機体です。
こんな最高の機体を提供してくれるリヒターさんに感謝であります。

受信機用電源に160mahのニッケル水素を使っていますが、まだ少しウェイトを載せています。サイズが問題なければ200mahくらいのリチウムポリマー2セルにレギュレーター使ってみるのもいいのかもしれません。他の機体で200mah1セルで2サーボ使用の様子を見てますが、小さなグライダーなら問題無いような気もしますが、受信機次第の部分はあります。
この機体は1セルだと頭がかなり軽くなるため余分なウェイト載せるのなら2セルで電圧落とした方が良いかもしれません。

2008/09/16





Koubou Sirokuma