圓龍寺の報恩講
圓龍寺では毎年12月の1日2日の両日、報恩講の御法座が開かれます。
2001年度も暖かい日差しに恵まれ、大勢の方のお手伝いとご参加をいただき、無事勤めることができました。
報恩講(ほうおんこう)とは?
浄土真宗の開祖である親鸞聖人のご命日にちなんで、勤められるご法要です。
親鸞聖人がおられた頃から、高僧の徳に報いるお勤めをされていたのが、聖人寂後にご命日法要となりました。
いわば、親鸞聖人のご法事であるわけですが、私の地方(広島県西部の旧広島市内)では1月16日のご命日にちなみ、お取り越し法要として、年末にかけてご門徒さんのお家やお寺で正信偈(しょうしんげ)が勤められています。
また報恩講は、戦前からの流れを受け継ぎ、遠方のご門徒さん(太田川流域や瀬戸内海沿岸部)への年に一回の訪問という意味合いも、私の地方ではもっています。
*現在では自動車や鉄道などの交通機関が主ですが、昔は船を利用することが多く、太田川を下って現在の広島別院付近の川土手へ船を着けたり、内海航路で広島へ入り、泊まり込みで参拝されていたようです。
*蓮如上人の時代でも、広島から京都へは、当時すでに定着していた瀬戸内海航路を使い、大阪から川船で上って行った事が記録に残っています。
報恩講のお斎(おとき)
毎年、2日目のお昼は、ご門徒さんが集まって、持ち寄った野菜や米で食事(おとき)を作っています。
現在は市販のお総菜を使うお寺も増えてきましたが、広島市の旧市内には、まだ「講」(聞法のための地域の組織)が残っているところも多く、婦人会や男性の方々で屋外のかまどで作っています。
(お膳の図)
ご飯、なめこのみそ汁、白あえ、煮しめ、煮豆、大根なます、菓子が並びます。お膳もリニューアル。
(お斉の接待の図)
食事風景 早朝から仏教婦人会の方が作って下さいます。
(かまどの図)
屋外の臨時のかまどです。普段は水汲み場ですが、こういう事もします。
井戸の手動ポンプは実際に今も使っています。広島は三角州ですので、この場所で地下30メートルには飲めるほどの水が流れています。
(ええのが炊けたの図)
ご飯が炊きあがりました。男の方が朝から集まってわいわいと作って下さいます。
この時代に薪の火で平釜で炊くご飯ですが、味は絶品でございます。
(お煮染め部門の図)
いつもお世話になっている婦人会の方々です。前日の下ごしらえから大勢(この写真以外に、本堂下に大きい台所がございます)集まってにぎやかに作業は進んでいきます。
(おこげの図)
平釜でご飯を炊きますと、美味しいお焦げが副産物?としてできあがります。熱々は大変においしゅうございます。
これがあるからやめない・・とも個人的には思っております。
2001/12/29
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